学生向け生成AI利用ガイドライン

1. 本ガイドラインの背景と目的

生成AIは、大量の学習データに基づいて指示(プロンプト)に対応したテキストや画像等のコンテンツを生成します。これらは情報収集や思考の向上に役立つ大きなポテンシャルを持っており、大学での教育・研究活動においてもより良い成果を生むための有意義な活用が期待されています。
一方で、生成AIという自分以外の力を不適切に借りることは、大学において行ってはいけない不正を犯してしまう危険を抱えています。
例えばレポートや論文作成において、生成AIが生成した情報を出典や利用事実を明示せず、そのまま使用することは、他人の著作物を無断で借用し、自分の文章であるかのように発表する「盗用・剽窃」に相当する不正行為として扱われる場合があります。
また、生成AIは、指示に対して無関係な内容や、事実と全く異なる内容のテキストを生成することもあります。生成された情報を鵜呑みにして発表することは、事実に基づかない情報を作出する「捏造」、あるいは事実を捻じ曲げる「改ざん」の行為に意図せず繋がることがあります。
これらの倫理不正は、当事者の学修や研究の価値を損なうだけでなく、学問全体の信頼を傷つけるものです。
その他にも、生成AIに入力した情報は、AIの学習データとして活用され、他人の指示に対する回答に用いられることがあります。不用意に機密情報や個人情報を入力すれば、情報漏えい等の法令違反や、プライバシー侵害等の損害を他人に及ぼす危険があります。
本ガイドラインは、こうした問題を回避し、薬学という高い倫理観を必要とする本学の教育・研究において、利用者が責任を持って生成AIを有意義に使うことができるよう、基本的な考え方と行動基準を示すものです。

2. 適用範囲

本ガイドラインは、本学の学生の学修活動、具体的には以下の目的で生成AIを利用する場合に適用します。

教育・学修
レポート、論文、発表資料の作成
研究活動(原則として機密情報を扱わない範囲)

対象は、任意の生成AI全般(テキスト・画像・音声・動画を含む)とします。
機密情報を扱う生成AIの利用については、各研究室の責任者または指導教員の指示に従い、利用可否・利用条件を確認するものとします。

3. 基本方針

生成AIは人間の活動を全て代替するのではなく、補助するためのツールである

生成AIは判断・検証・表現の全てを利用者本人に代わって行うものではなく、利用者は生成AIを利用した成果物が社会や学術界に及ぼす影響について責任を負うことになります。

学修活動は研究活動と同様、倫理規範の対象である

本学としては、学修・研究の主体性を損なわない生成AIの利用を徹底するとともに、研究不正に相当するような生成AIの利用は禁止します。

安全性とプライバシーの保護

生成AIへの入力データの取扱いをよく確認し、機密情報や個人情報について各種法令や規程に基づく責任ある管理の徹底を求めます。
※機密情報には、講義を通じて提供される情報(講義内容、講義資料、講義動画など)や未発表研究データ等が含まれます。

教員の裁量

科目や分野に応じた学修効果の測定の観点から、課題ごとの生成AI利用の可否・条件は担当教員の判断によって定まります。

4. 禁止される利用

● 上記「3. 基本方針」に従えば、学修活動において以下のような利用は禁じられることとなります。

<研究倫理の観点>
 • 生成AIが生成した内容を、そのまま自分の成果物として提出すること(剽窃・盗用の可能性)
 • 生成AIを用いた実験データ・研究結果の捏造、改ざん
 • 生成AIの出力に含まれる他者のアイデアや成果物を、了解もしくは適切な表示なく流用すること(盗用)
 • 試験の解答や課題への取り組みにおいて、担当教員の許可する範囲を超えて生成AIを使用することも、上記に準じて禁止します。

<情報取扱いの観点>
 • 個人情報・機密情報を入力すること
 • 著作権法で認められた範囲を超えて、著作物(教科書や論文など)を利用することや、著作物と酷似した出力結果をそのまま利用・配布すること(著作権侵害)

<医療倫理の観点>
 • 生成AIが生成した内容(特に医療・薬学的に重大な影響を及ぼす情報)を、正確性を確認せずに使用すること

● 入力情報の取扱いと注意点

生成AIに入力する情報は、入力者が利用権限を有するものに限ります。著作物(教科書や論文など)の全文または大部分を生成AIに入力することは著作権侵害に該当する可能性があります。
生成AIサービスでは、入力内容が保存され、サービス改善やAIの学習等に利用される可能性があります。やむを得ず未発表研究データを扱う必要がある場合は、事前に指導教員に相談し、AIの学習に利用されない設定(オプトアウト)等の安全措置を講じたうえで、必要最小限に限って取り扱ってください。

5. 生成AIの選定基準

上記「4. 禁止される利用」に当たることのないように、以下の基準を参考に、安全かつ適切なツールを選択してください。

安全性・プライバシー

入力情報が生成AIの学習に利用されない(第三者に情報が共有されうることのない)対応が可能であること
データの保存期間・利用目的が明示されていること

規約・利用条件

当該生成AIの教育・研究目的での使用が許可されていること
利用規約や権利関係が明確であること

機能・信頼性

根拠表示の有無、引用支援など、学修・研究に適した機能があること
生成AIの動作や仕様が公開されていること

倫理性・適切性

有害出力を抑制する仕組みがあること
偏見・誤情報に対する対策を備えていること

なお、ツールの選定および利用に伴う最終責任は、利用者本人が負うものとします。

6. 利用目的として認められる例

上記「4. 禁止される利用」に当たらない範囲で、学修・研究の向上に資する利用の例として以下のようなものが考えられます。

● レポート・論文作成の補助
 • アイデア創出や論点整理の参考
 • 文章構成・アウトラインの相談
 • 文法チェック・表現の改善
 • 参考⽂献検索の補助
 • 専門用語や概念の理解
 • 図表・グラフ作成の補助

※内容の正確性は必ず自ら確認すること

● 学修支援
 • 難解な概念や理論の説明
 • 学修計画の作成サポート
 • 問題の解法プロセスの理解
 • 外国語学修における会話練習

7. 生成AI利用時の必須事項

● 設定の確認

生成AIを利用する前に、上記「5. 生成AIの選定基準」に示した安全性・プライバシー等の条件を確認してください。必要な設定が未設定の場合は設定を行い、当該機能が利用できない場合は、利用を控えるか、適切な代替ツールを選択します。

● 生成AI利用に関する情報の明示

責任を持って生成AIを利用するには、不適切な利用に相当しないことを主体的に示す責任を果たすことが重要です。例えば以下のことについて必ず記録を残し、明示します。
※ここでの「明示」は生成AIの出力を信頼できる根拠資料として扱うという意味ではなく、利用記録として明示するものです。

使用したツール名
利用した時期(年月)
活用した工程(例:構成案の作成、文章チェック など)
主なプロンプトまたは利用方法の概要(担当教員から具体的に指示がある場合はそれに従うこと)

例:
「本レポートの構成案作成に ChatGPT(2025年11月利用)を活用した。…」
※レポート・論文等の本文に部分的にでも生成AIの出力をそのまま使用する場合には、その箇所が生成AIによる出力であることを明示します。
※生成AIの利用に関する開示の方法については、課題ごとに担当教員の指示に従ってください。

● 内容の検証

 • 生成AIの生成内容は誤情報が含まれる可能性があるため、必ず信頼できる文献等で確認すること
 • 生成AIの出力に文献名やデータが示された場合は、必ず原典を確認すること
 • 専門分野の記述(薬理、薬物動態、薬物治療など)は特に慎重に確認すること
 • 生成AIの出力を鵜呑みにせず、批判的に検証する姿勢を持つこと

● 担当教員への確認

課題によって生成AI利用の可否や範囲、情報開示のルールが異なる場合があるため、指示が不明な場合は必ず確認すること。

8. 倫理的配慮

生成AIの利用にあたっては、その成果物が与える社会的影響を意識し、上記の対応に限らず、差別や偏見の助長、他者の名誉毀損など、社会的に不適切な利用をしないよう、高い倫理的姿勢を求めます。

9. 違反した場合

上記「4. 禁止される利用」に関わる生成AIの不適切な利用は、剽窃・盗用、捏造、改ざん等と同様に、不正行為として扱われる場合があります。

該当課題の不合格
単位の取り消し
大学が定める懲戒処分(「明治薬科大学における学生の懲戒規則」に準じる) など

処分内容は、不正の種類や程度に応じて決定されます。

付則

本ガイドラインは、技術動向その他の状況等に応じて必要に応じて見直し・更新します。

制定日:令和8年7月3日

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