英語・言語学
私たちは、アメリカの言語学者ノーム・チョムスキーが提唱した生成文法理論に基づいて、統語論と意味論の研究を行っています。生成文法理論は様々な言語に適用されますが、私たちの研究の主な対象は英語と日本語です。生成文法の枠組みにおける統語論・意味論の研究は、母語話者が母語に対して持つ感覚(直観といいます)に焦点を当てます。話者の直観の例として、次の日本語の文を見てみましょう。
(1) 信号を無視した自転車とタクシーが衝突した。
日本語の母語話者は、(しばらく考えれば)例(1)の文に二通りの解釈があることが直観的にわかります。すなわち「①信号無視をした自転車がタクシーと衝突した」と「②自転車とタクシーが信号を無視して衝突した」という解釈です。それでは、この日本語の文(1)をGoogle翻訳を使って英語に翻訳してみましょう。
(2) A bicycle that ran a red light collided with a taxi.
翻訳アルゴリズムが何らかの判断を下し、日本語の文を正確に英語に翻訳しました(「信号」を"a red light"と訳すところなど非常に便利で素晴らしいですね)。そしてその判断のもとこの英文は解釈①と対応するものとなっています。
問題は、アルゴリズムがどのような判断を下したのか、そして日本語の母語話者は直観的にどのようなことを知っているのかということです。
私たちの研究は、母語話者の母語に対する直観を観察・分析することで、人間が母語についてどのような知識を持っているのかを探求することを目的としています。生成文法は、人間が持つ言語知識に焦点を当てており、この知識は私たちの心/脳に宿っています。私たちの心/脳に宿った知識を探求するという意味で、言語研究は自然科学の一分野であると言うことができます。言語学を通して、私たちの心と世界についてもっと深く学んでいきましょう!
研究室メンバー
研究テーマ
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生成文法理論、統語論、意味論
