認知症創薬資源研究開発センター
文部科学省・私立大学戦略的研究基盤形成支援事業は、大学が独自の研究戦略に基づき先端的研究を実施するために必要な研究基盤の形成を支援する競争的研究資金助成制度です。
本学の認知症創薬資源研究開発センター研究事業「認知症克服を志向する天然物創薬研究拠点の形成」が、平成27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(5ヶ年計画)として選定されました。
※本事業は2020年3月31日をもちまして終了致しました。
本研究プロジェクトの詳細についてはこちらをご覧ください。
研究成果報告書:PDF(5.03MB)
研究の目的
本邦では認知症患者数は激増しており、高齢化社会を迎え早急な対策が社会的に求められています。認知症疾患の中でも最も頻度が高いアルツハイマー病は、脳にアミロイドベータと呼ばれる異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞死が進行する原因不明の難病です。特効薬はなく、画期的な創薬シードの開発が望まれています。近年、次世代シークエンサー技術の飛躍的な進歩に伴い、疾患活動性や薬物応答性を個人ゲノムレベルで解析出来るようになりました。本研究プロジェクトでは、未だ有効な治療薬がない認知症の克服を目指し、革新的な天然物創薬研究の拠点形成を目的としています。認知症創薬資源研究開発センター(Dementia Drug Resource Development Center : DRC)では、次世代シークエンサーとバイオマーカー解析装置を導入し、主任研究者5名が共同研究チームを組織して、高度先進的な創薬研究に取り組んでおります。他機関では入手困難な独創的な天然物素材であるタイ海洋群体ホヤ、皮膚常在真菌マラセチア、地衣類・キノコ・海洋真菌などから、多数の創薬シード化合物を抽出・精製し、多様な誘導体を創製し、全合成経路の開発を行っています。薬効および標的分子を次世代シークエンサーと先端的なスクリーニング系を駆使してゲノムレベルで解析しています。有望な新規化合物は、製薬企業と連携し開発を進めて行く予定です。