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SDGsへの様々な取り組み

生活習慣病のための治療の開発

櫛山 暁史 教授 薬物治療学研究室

 生活習慣病は、生活習慣が大きな要因となる病気で、2型糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、あるいはメタボリック症候群などを指します。生活習慣病があると、働き盛りの年代以降に心筋梗塞やがんになりやすく、仕事に支障が生じ、医療負担も生涯にわたって大きくなります。

 また脳卒中から寝たきりになると、生活の質が低下するばかりか、周囲の介護負担も格段に大きくなり、貧困を招きます。そのため生活習慣病の予防と治療は、人が健康で豊かな生活を送るためにとても重要なことです。

 一方で、生活習慣に着目するあまり、個人の持つ遺伝子や環境によって生活習慣病のなりやすさが大きく違うにも関わらず、「生活習慣病になるのはだらしない」といった偏見や無用な差別も生まれています。そこで、生活習慣病を正しく理解し、少しでも効果的な治療を実現し、全世界で生活習慣病を克服し、皆が平等に生活を楽しみ、やりがいに力を注げるよう、薬物治療学研究室では生活習慣病についての正しい教育・啓発活動、新しい負担の少ない薬の開発や、個人の性質にあった薬の使い方を目指して、実験による研究や、病院のデータを使った研究を行っています。