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SDGsへの様々な取り組み

疾患における病理組織学的解析

中舘 和彦 教授  薬学教育研究センター 基礎科学部門/生物学

 私たちの身体は数十兆個の細胞から構成され、それらの細胞は分化し、脳、心臓、肝臓などの臓器を形成しています。
全ての細胞が正常に働き、お互いが協調しあっているので、私たちはいつも元気に過ごすことができます。
 しかし、様々な因子によって細胞は日々傷つけられ、そして、病気を発症してしまいます。病気になった時、細胞にどのような変化がもたらされるのかを明らかにすることができれば、病気の解明につながります。私たちは、病気になった時の細胞の微細な変化を観察することで、病気の根本原因の解明、そして病気の治療法や予防法の確立を目指しています。
 一例ですが、近年世界中で健康被害として認識されている病気に慢性肥満があります(下図)。慢性肥満は、糖尿病や高血圧といった様々な病気につながるため早期の治療が望まれています。私たちは、慢性肥満時の肝臓の細胞(肝細胞)を観察することで、細胞内の微細な異常を明らかにすることができました。
 このように、これまで未知であった細胞内での微細な異常を見つけることは、病気の原因解明から治療法や予防法の確立につながり、国内外のすべての人々の健康に貢献できると、私たちは考えています。