教育

【アーカイブ】特色ある教育
既に終了した研究事業を紹介しています。

医療人GP

本学は、文部科学省による大学教育改革支援事業の一つである「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム(医療人GP)」の平成18年度募集分に申請し、選定されました。なお、医療人GPに申請された全国55件の申請のうち、私立大の採択は、本学を含めた6件のみです。
(※GPとは、「優れた取組」を意味する"Good Practice"の頭文字をとった通称です。)

医療人GPパンフレット表紙
医療人GPパンフレット表紙

柔らかな心と臨床能力を育む薬剤師早期教育
病む者の心の理解から電子カルテ活用まで

薬学教育改革を牽引する、薬学科の早期教育プログラム

1~3年次の薬学科カリキュラム
1~3年次の薬学科カリキュラム

1、2年次には基礎科学の教育と共に病む人の心を理解できる柔らかな心を持ち、薬剤師を職業とする自覚への目覚めを促すため、1年次で「早期体験学習」を実施。続く2年次でも「体験学習」を実施します。3年次には「医療コミュニケーション教育」と医療機関での実習環境をできるだけ模倣した「電子カルテシステム」を利用して、臨場感のある薬物治療学教育、医薬品情報学教育と演習教育を行います。

進路ガイダンス

病院や薬局などで活躍する薬剤師像を計10回に分けて紹介し、最終的には薬剤師の業務や役割についてグループ討論を行います。

早期体験学習

医療機関(病院、調剤薬局)、介護施設、製薬企業などから学生が2施設程度を選択し短期訪問見学(2時間程度)を実施。医療の現場に早くから触れることで薬学への興味を喚起させます。早期体験学習で得たことをレポートとしてまとめ報告会で発表します。

体験学習

体験学習は、早期体験学習からさらに一歩踏み込んで医療の現場を体験する1週間程度の研修学習です。医療施設や介護施設などで補助的なお手伝いをしながら医療業務の流れやコミュニケーションの大切さを体験し、さらに病める人をいたわる心も養っていきます。

医療コミュニケーション教育

病む人の心の動きに敏感に感応できる「柔らかな心」の形

患者さんを理解しサポートできる薬剤師を育成

単に医薬品を医師の指示に従い適切に提供するだけでなく、病める人の心を理解することで患者さんが薬物治療に求めるものを感じ取り、独自の見識と技能を有する医療チームの一員として、薬物治療の多様なニーズに対応できる薬剤師の育成を目指します。

医療人としてのコミュニケーション能力を高める

医療コミュニケーション教育では、患者さんの心の動きに感応する「柔らかな心」をしっかりと育んだうえで、薬物治療に関する情報収集を能動的に行うことのできる能力、そして医師や患者さんに適切な医療助言ができる能力の養成を目標としています。

新しい医療コミュニケーション教材の開発

医療コミュニケーション教育に活用できる新たな教材ツールとして、学生が実習中あるいは卒業後に遭遇するであろう数々の臨床的状況のシナリオを想定し、俳優や教員、学生が協力して作成するビデオシリーズの開発を目指しています。

サンプル教材(動画)1
<薬剤師物語 第一話 予告編>

サンプル教材(動画)2
<薬剤師物語 第二話 予告編>

サンプル教材(動画)3
<薬剤師物語 第三話 予告編>

電子カルテシステム

これからの医療薬学教育の大きな可能性を開く電子カルテシステム

国公立・私立の大病院等で、診断や治療を効率化するために導入が進められている電子カルテシステム。これは単に医療業務ツールとしてだけでなく、医療薬学教育をも変革する大きな可能性を秘めていると考えています。

そこで、本学では医療人GP事業の助成を得て臨場感のある医療薬学教育を行うための医療薬学教育電子カルテシステムを構築することにしました。本事業で構築されるシステムは、実際に医療現場で使用されているNECの電子カルテシステムをゲートウェイとして、多数の模擬患者さんの薬物治療症例データベースや医薬品データベース、さらに業界標準の統計ソフトウエア、インターネット上の公共データベース等もリンクされており、学生は電子カルテを入口として新しい薬学教育を行うことになります。

電子カルテシステム

電子カルテシステムを活用した学習とは?

これから構築される電子カルテシステムには模擬患者さんの薬物治療症例データベースがリンクされているので、学生が臨場感のある治療情報を見ながら病気の診断と治療の経過を学び、治療上の問題点を学内LANに配置された医薬品情報データベースや薬物治療ガイドラインデータベースにより解析する全く新しい学習が可能となります。

患者さんへの服薬指導を学ぶ時にも、模擬患者さんのカルテと実際に病院で使用されている服薬指導支援ソフトウエアを用いてグループで討論しながら服薬指導計画を立てたり、医療コミュニケーション動画コンテンツを利用して服薬指導の基本を確認することもできるでしょう。また、医薬品データベースなどから収集した医薬品の情報は臨床評価に関する業界標準の統計ソフトウエアであるSPSS®を一人ひとりが自由に使いこなして学習ができる環境が用意されます。今後3年間で構築される医療薬学教育電子カルテシステムは薬学教育に大きな変革をもたらすものと期待しています。

電子カルテシステムを活用した学習