博士課程カリキュラム
薬学は総合科学であることから、医療系から基礎科学まで異なる指向性を持つ学生を教育の対象とし、次世代を牽引する優れた薬剤師研究者の養成にふさわしい個別化した教育課程を編成しています。
また、多彩な分野で社会人として活躍する薬剤師が学びやすいように、柔軟なカリキュラムを用意しています。
薬学専攻博士課程を修了し、学位を取得するためには、40単位以上を修得し、必要な研究指導を受けたうえ、本大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格する必要があります。必要な単位を修得するための履修方法は、次のとおりです。
- 薬学専攻が開設する総合科目(必修):8単位
- 薬学専攻が開設する総合科目中の選択科目及び医療薬学分野並びに基礎薬学分野の選択科目を合わせて:12単位以上(ただし、選択科目の履修においては、医療薬学分野特論・演習または基礎薬学分野特論・演習から自分が所属する研究室関連科目を最低2単位取得することとします。)
- 薬学課題研究(必修):20単位(10単位までは学外研修施設で実施できます)
1年次前期には、研究テーマの選択において自立性を涵養するために必修科目として研究計画立案(リサーチ・プロポーザル)演習を設定しています。当演習を履修する過程で、入学時に希望した研究室の教員のみならず専攻横断的に他の研究室の教員にもアドバイスを受けつつ課題研究のテーマを設定するプロセスを学び、この演習終了時の発表会において将来の学位審査員となる可能性のある教員から有用なアドバイスを受け意見を交換する事を通じて課題研究テーマを設定します。
医療薬学分野並びに基礎薬学分野の選択科目の単位は原則として2年次末までに修得するものとし、3年次以降は薬学課題研究に則した研究指導と課題研究に密接に関連する総合科目を履修しつつ、論文作成などの研究活動を行うものとします。ただし、特別な事情により上記の履修方法が困難な場合は、指導教員のもとで履修方法についてよく相談のうえ、計画的に履修を行うものとします。
グローバルな視野を持ち、英語によるコミュニケーション能力を養成するためには、大学院在学中に海外留学を経験することがきわめて効果的であり、休学することなく最大1年程度の海外留学が可能となるように、それぞれ6ヶ月間の海外研修Ⅰ及びⅡを選択科目として設置しています。
また、実践英語Ⅰ及びⅡ(TOFEL, TOEIC)を選択科目として設け、一定の基準点を超える成績を得た上で、更に指導教員の指定するテーマで英文エッセイまたはレポート課題等で能力が確認できた学生は最大限2単位が修得できます。
3年及び4年次には、様々な学術研究プロジェクトへの参加や学会・ワークショップなどへの参加を奨励するため、大学院生が学会員として所属する学会において自らの課題研究の成果についての発表資料の準備から発表までを指導教員と行う教育を必修科目として設定しています。
大学教員の養成に当たっては、特に高い教育能力の養成が必要であることから、選択科目として教育・研究指導演習を設置しています。大学院生自らが指導教員とともに学部学生及び大学院学生教育を補助しつつ教育メソッドを学び、さらに自らが教育体験を実践します。
薬学課題研究20単位中、1~2年次の最大2年間、10単位相当を学外機関で実施可能です。これは、所属する病院等の医療機関で臨床能力の養成と臨床試験を実施する社会人が研究テーマを遂行できるよう配慮したものです。また、学部から進学した学生が臨床薬学のテーマを外部の医療機関で実施する場合や、基礎的な研究を行う学生が外部の研究機関、企業等で研修を実施する場合も、連携大学院制度(平成29年度から導入)によりいっそうの充実を目指しています。
学生の受け入れ
学生募集は、本学学生で成績優秀者を対象とする推薦入試と、本学学生、他大学の6年制課程学生、卒業生を対象とする一般入試があります。
また、大学院入学時点で、医療機関・企業等に2年以上在職している社会人を対象に社会人入試を実施します。
旧課程の薬学部を含む4年制課程卒業者は、本大学院が大学の薬学部(標準年限6年の課程)を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者が出願できます。
外国人留学生を対象とする入試も実施します。
学位取得
薬学専攻博士課程の修了要件を満たし、博士論文を作成し、論文審査と最終試験に合格した者には、博士(薬学)の学位が授与されます。