大学院[薬学研究科]

生命創薬科学専攻

概要

生命創薬科学専攻におけるコース、研究室

生命創薬科学専攻は、創薬化学コース、生命科学コースの2コースで構成されています。各コースを構成する研究室と指導教員は下表のとおりです。さらに、連携する学外の大学院、研究機関などにおいて2年間の研究を行なう連携部門コースもあります。大学院生は個々の研究室に所属され、研究指導を受けます。

生命創薬科学 研究室と指導教員

[ 創薬化学コース ]
研究室 指導教員
薬品製造化学 齋藤 望 教授
(薬化学) 横屋 正志 准教授
有機合成化学 高取 和彦 教授
(機能分子化学) 杉山 重夫 教授
薬品物理化学 野地 匡裕 准教授
生薬学 高取 薫 教授
(分子製剤学) 深水 啓朗 教授
[ 生命科学コース ]
研究室 指導教員
生体分子学 長浜 正巳 教授
(生化学) 紺谷 圏二 教授
病態RNA制御学 紀 嘉浩 教授
(生体機能分析学) 兎川 忠靖 教授
(分析化学) 小笠原 裕樹 教授
感染制御学 森田 雄二 教授
(微生物学) 杉田 隆 教授
薬効学 菱沼 滋 教授
(薬物治療学) 櫛山 暁史 教授
(公衆衛生・疫学) 赤沢 学 教授
(臨床漢方) 馬場 正樹 准教授
(薬剤学) 小林 カオル 教授
(薬物動態学) 花田 和彦 教授
(医療分子解析学) 植沢 芳広 教授
(薬剤情報解析学) 大野 恵子 教授
(病態生理学) 蒲生 修治 教授
(環境衛生学) 服部 研之 教授
(薬理学) 野澤 玲子 准教授
(機能形態学) 中舘 和彦 教授
(総合臨床薬学教育研究講座) 佐藤 光利 教授
鈴木 俊宏 准教授
安 武夫 准教授
(薬学教育研究センター/臨床薬学部門/レギュラトリーサイエンス) 前田 英紀 教授

(  ):大学院薬学専攻兼担

※生命創薬科学専攻博士課程(前期)では、2024年度入試より、「生命科学コース」に、(薬理学:野澤玲子准教授)、(薬学教育研究センター/臨床薬学部門/治療評価学:安武夫准教授)を追加予定です。

進路状況

本学大学院ではこれまで数多くの薬学修士、薬学博士が育ち、製薬関連および食品・化粧品・化学などの企業の研究、開発部門、教育研究機関(大学・研究所等)や公的機関(省庁・都道府県庁・鑑識等)をはじめとした様々な分野に就職し、活躍しています。

大学院博士課程(前期)カリキュラム

博士課程(前期)を修了し、学位を取得するためには、30単位以上を修得する必要があります。内訳は必修科目全14単位(薬学総合講義:1単位、学術論文総説講演Ⅰ:2単位、製剤学特論:1単位、生命創薬課題研究:10単位)、および選択科目16単位以上です。
選択科目は、基礎的な内容から応用までを含む特論(1単位)および演習(1単位)で構成されます。特論および演習は創薬化学コース科目と生命科学コース科目とに別れ、学生は所属するコースの特論および演習を12単位以上修得します。その他のコースの特論および演習は4単位以上を修得し、特論・演習計16単位以上を修得します。
さらに修士論文を作成し、最終試験に合格する必要があります。

1年次の4月に集中開講される「薬学総合講義」(1単位)では、大学院2年間の研究・勉学の意欲高揚につなげるため、第一線で活躍する専門家を招き製薬業界、薬学の現状と将来展望の一端の把握につとめます。また、講義内容を効率よく把握し、自己の意見や感想を表現する能力を修得します。
1年次後期に開講される「製剤学特論」(1単位)では、創薬の展開に重要な役割を持つ製剤の基礎的知識を網羅的に修得します。
さらに、大学院講義の特色を更に深め、研究の質的充実を高めるため、専門の学識を有し国内外で活躍する著名な学者(研究者)により、年10回程度の特別講義を行います。
その他、「生命創薬科学総合演習ゼミ」(2単位選択)では、生命創薬科学専門分野の様々な研究室ゼミに参加して最先端のトピックスに触れ、最前線の研究動向と多様な分野の専門的知識を学びます。
1年の夏休みには、「インターンシップ」(1単位自由選択)を導入し、将来就くことになる職業への適性を考える機会を提供し、産業界等社会との接触により、社会的役割や責任について体得します。

それぞれの研究室では、「生命創薬科学課題研究」(10単位必修)を通して、研究技法や研究能力を身につけ、「学術論文総説講演I」(2単位必修)を通して、学生同士が切磋琢磨する環境の中、知的学識、語学力、評価力、プレゼンテーション能力などを養います。そして,社会的ニーズの高い創薬研究課題に対して、探索・化学合成・分子機能解析を中心として多次元的に研究を展開し、その教育研究の成果は、専門分野の学会、シンポジウムなどで発表し、幅広い基礎薬学的知識・技能及び創造性豊かな研究的感性を研鑽し、力量ある研究者としての資質を育てるように丁寧に指導します。

博士課程(前期)学生の受け入れ

学生募集には、成績優秀な本学学生を対象とする推薦入試と、本学学生、他大学(理科系大学)学生、卒業生を対象とする一般入試があります。

さらに、外国人留学生を対象とした入学試験を実施しています。

博士課程(前期) 学位取得

博士課程(前期)の課程修了要件を満たし、修士論文を作成し、その最終試験に合格した者には「修士(薬科学)」の学位が授与されます。

博士課程(後期)カリキュラム

博士課程(後期)を修了し、学位を取得するためには必修科目15単位(学術論文作成・発表演習:1単位、学術論文総説講演Ⅱ:2単位、生命創薬科学課題研究Ⅱ:12単位)を修得し、かつ必要な研究指導を受けたうえ、博士論文を作成し、本大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格する必要があります。
本カリキュラムを通して、研究者に求められる英語による研究・論文の作成、論理性、表現力を修得し、学部・博士課程(前期)学生の教育的指導能力を培います。
また、将来研究者として自立できる基盤となる幅広い専門的知識と研究手法を多彩な研究活動の場を通して身につけるとともに、それらを総合的に活用する研究遂行能力や問題解決能力を修得します。

博士課程(後期)学生の受け入れ

本学博士課程(前期)を修了し、引き続いて進学を許可される場合と、博士課程(前期)修了またはそれと同等の学力を有する者が入学試験に合格し入学する場合があります。
社会人及び外国人留学生を対象とする入試も実施します。

博士課程(後期)学位取得

博士課程(後期)の課程修了要件を満たし、博士論文を作成し、その最終試験に合格した者には「博士(薬科学)」の学位が授与されます。

生命科学コースでは、分子レベルの病態機能解析などから治療薬の分子標的を探ります。
生体分子と薬物分子の視点から新しい治療薬の標的分子を特定します。ゲノム情報を活用しながら生体と薬との関係を多面的に研究するコースです。
生命科学コースを構成する研究室は、以下の研究室です。

研究概要と関連論文

長浜正巳教授・博士(学術)、泉川桂一准教授・博士(農学)

AAA-ATPaseファミリーの分子シャペロンとしての働きについて、動物細胞の機能制御という観点から、リボソーム生合成およびrRNA代謝に関する研究を中心にプロジェクトを進めている。
動物細胞のリボソーム生合成およびrRNA代謝は、リボヌクレアーゼやRNAヘリカーゼをはじめとした多数の分子による複雑かつ秩序立った連携により成立している。これらの分子間相互作用を制御する分子シャペロンの働きについて、AAA-ATPaseファミリーに属するNVL2 の機能を中心に解析をしている。

  1. Hiraishi, N., Ishida, Y., Sudo, H., and Nagahama, M. WDR74 participates in an early cleavage of the pre-rRNA processing pathway in cooperation with the nucleolar AAA-ATPase NVL2. Biochem. Biophys. Res. Commun. 495, 116-123 (2017)
  2. Ishida, Y.,Miyao, S., Saito, M., Hiraishi, N., and Nagahama, M.Interactome analysis of the Tudor domain-containing protein SPF30 which associates with the MTR4-exosome RNA-decay machinery under the regulation of AAA-ATPase NVL2. Int. J. Biochem. Cell Biol. 132,105919 (2021) (2017)
  3. Miyao, S., Saito, K., Oshima, R., Kawahara, K., and Nagahama, M. MTR4 adaptor PICT1 functions in two distinct steps during pre-rRNA processing. Biochem. Biophys. Res. Commun. 637, 203-209 (2022)
紺谷圏二教授・博士(理学)、荒木信講師・博士(薬学)

細胞内物質輸送系やシグナル伝達系に介在する低分子量Gタンパク質群の生理的役割や活性制御機構に関して、様々な研究アプローチにより解析を行っている。

  1. ヒトでは150種類以上の低分子量Gタンパク質が存在し、細胞増殖や細胞内物質輸送などの制御を行うことが知られているが、細胞内におけるグアニンヌクレオチド結合状態やその制御機構が不明なものも多数存在する。当研究室では、低分子量Gタンパク質の活性化状態を高感度でモニターする独自のアッセイシステムを構築し、低分子量Gタンパク質の活性制御機構や細胞機能との関わりについて解析を行っている。
  2. リソソームは様々な物質分解を担うオルガネラであるが、その機能発現に関与する低分子量Gタンパク質ARL8について、活性制御機構やマウスを用いた個体レベルでの生理的役割の解析を行っている。
  3. 高コレステロール血症治療薬のスタチンは、筋組織の細胞死を伴う横紋筋融解症を起こすが発症機序は明らかとなっていない。これまでに、スタチンが非選択的なタンパク質分解機構のオートファジーを誘導することを明らかにしており、筋組織の細胞死とオートファジー誘導及び低分子量Gタンパク質との関連性について解析を行っている。
  1. Araki M , Yoshimoto K, Ohta M, Katada T and Kontani K. Development of a versatile HPLC-based method to evaluate the activation status of small GTPases. J. Biol. Chem. 297 101428 (2021).
  2. Hashimoto K, Yamaguchi Y, Kishi Y, Kikko Y, Takasaki K, Maeda Y, Matsumoto Y, Oka M, Miura M, Ohata S, Katada T and Kontani K. Loss of the small GTPase Arl8b results in abnormal development of the roof plate in mouse embryos. Genes Cells. 24 436-448 (2019).
  3. Oka M, Hashimoto K, Yamaguchi Y, Saitoh SI, Sugiura Y, Motoi Y, Honda K, Kikko Y, Ohata S, Suematsu M, Miura M, Miyake K, Katada T and Kontani K. Arl8b is required for lysosomal degradation of maternal proteins in the visceral yolk sac endoderm of mouse embryos. J. Cell Sci. 130 3568-3577 (2017).
紀嘉浩教授・博士(学術)、柳津茂慧助教・博士(薬科学)
  1. 神経疾患の病態修飾因子の探索:アルツハイマー病・筋萎縮性側索硬化症・筋強直性ジストロフィーなどの神経・筋疾患を対象として、発症経路の鍵となる分子の特定を目指します。①疾患の原因遺伝子やリスク遺伝子に注目し、これらを共通に制御する上流因子群を明らかにすることで、疾患に大きく寄与し得る分子経路の特定を試みます。②疾患モデル細胞やモデルマウスを用いて、疾患に影響することが予測される遺伝子の発現を操作し、その影響を検証します。また、ダイレクトリプログラミングなどの手法を用いて新たな神経疾患モデルの樹立を試みます。
  2. タンパク質・RNA凝集物の存在意義の解明:多くの神経変性疾患では、脳内でのタンパク質凝集物の蓄積を特徴とします。また、反復配列の異常伸長を原因とする疾患では、RNAの凝集物が細胞内に蓄積することもあります。これらのタンパク質・RNA凝集物の病態上の意義を調べるため、細胞に対するこれら凝集物の影響や、凝集形成・分解の分子機構を明らかにすることを試みます。
  3. RNA代謝を探るツールとしての化合物の活用:天然由来の化合物にはRNAプロセシングに影響するものがあります。これらの作用機序を明らかにし、より高活性あるいは高選択性を示す化合物の取得を目指します。また、疾患に関連したRNAプロセシングを改善する化合物を探索し、治療分子としての可能性を探るとともに、その作用メカニズムを解明します。
  1. Yanaizu M, Adachi H, Araki M, Kontani K, Kino Y. Translational regulation and protein-coding capacity of the 5' untranslated region of human TREM2. Commun Biol. 6, 616 (2023).
  2. Komuro R, Honda Y, Yanaizu M, Nagahama M, Kino Y. Alzheimer's Disease-Associated Alternative Splicing of CD33 Is Regulated by the HNRNPA Family Proteins. Cells. 12, 602 (2023).
  3. Yanaizu M, Washizu C, Nukina N, Satoh J, Kino Y.  CELF2 regulates the species-specific alternative splicing of TREM2. Sci Rep. 10, 17995 (2020).
兎川忠靖教授・薬学博士、月村考宏講師・博士(薬学)

創薬、診断および治療効果の確認においてバイオマーカーの測定は必須である。遺伝性難病などの疾患で、特異性を持って疾患の状態を反映するバイオマーカーを探索し、その分析法を開発する

  1. Nakajima I, Tsukimura T, Ono T, Shiga T, Shitara H, Togawa T, Sakuraba H and Miyaoka Y. In vivo delivery of therapeutic molecules by transplantation of genome-edited induced pluripotent stem cells Cell Transplant, 32, doi:10.1177/09636897231173734 (2023).
  2. Kubota T, Tsukimura T, Shiga T, Togawa T, Sakuraba H. Monitoring of anti-drug antibodies and disease-specific biomarkers in three patients from a Japanese Fabry family treated with enzyme replacement therapy. CEN Case Rep, 12, 171-175 (2023).
  3. Tsukimura T, Shiga T, Saito K, Ogawa Y, Sakuraba H and Togawa T. Does administration of hydroxychloroquine/amiodarone accelerate accumulation of globotriaosylceramide and globotriaosylsphingosine in Fabry mice? Mol Genet Metab Rep, 28, 100773 (2021).
小笠原裕樹教授・博士(薬学)、小池伸講師・博士(薬学)
  1. バイオマーカーの探索:酸化ストレスに起因する疾病(カルボニルストレス性疾患、睡眠時無呼吸症候群など)の診断・治療の指標として有用な生体成分を見出し、その測定法を開発、確立すると共に、疾病の発症機序の解明に繋がる知見を得ることを目的とする。
  2. ストレス応答因子の解析:様々なストレスに対する生体応答に着目して、ストレス負荷時における細胞内の関連遺伝子、タンパク質の発現変動や、抗酸化的な低分子の変化について調べることにより、疾患に関わるストレス応答システムを詳細化する。
  3. スルファン硫黄の測定と生理機能の解析:システインの代謝産物であるスルファン硫黄(結合型イオウ)の生理的な存在意義にあらためて注目し、新たな高感度測定法の開発を行い、その応用として様々な疾患や生理機能との関わりについて解析を試みる。
  1. Koike S, Ogasawara Y. Analysis and characterization of sulfane sulfur. Anal. Biochem. 687, 115458 (2024)
  2. Koike S, Saito Y, Ogasawara Y. Novel Fluorometric Assay of Antiglycation Activity Based on Methylglyoxal-Induced Protein Carbonylation. Antioxidants 12, 2023 (2023)
  3. Koike S, Sudo H, Turudome S, Ueyama M, Tanaka Y, Kimura H, Ishida YI, Ogasawara Y. Hyperoxidized Peroxiredoxin 2 Is a Possible Biomarker for the Diagnosis of Obstructive Sleep Apnea. Antioxidants 11, 2486 (2022)
森田雄二教授・博士(薬学)、鴨志田剛講師・博士(薬学)

抗微生物薬ならびにワクチンの開発などにより、20世紀には我が国を含む一部の国で多くの感染症が制圧されるようになった。しかし、抗微生物薬が効かなくなる薬剤耐性(Antimicrobial Resistance, AMR)をもった微生物が出現するようになり、21世紀においてAMRは公衆衛生における世界最大の脅威の1つになっている。そこで私たちは薬剤耐性菌など微生物の薬学研究を展開し、その成果を健康・医療やバイオテクノロジーなどの分野に還元する。

  1. 薬剤耐性菌など微生物の病原性や薬剤耐性に関する研究
  2. 感染症治療薬の開発に関する研究
  3. 微生物のバイオテクノロジー応用に関する研究
  1. Kamoshida G, Yamada N, et al. Preferential selection of low-frequency, lipopolysaccharide-modified, colistin-resistant mutants with a combination of antimicrobials in Acinetobacter baumannii. Microbiol. Spectr. 10: e0192822 (2022). doi: 10.1128/spectrum.01928-22.
  2. Ikarashi K, Kutsuna R, Tomida J, Kawamura Y, Morita Y, Overexpression of the MexXY multidrug efflux system correlates with deficient pyoverdine production in Pseudomonas aeruginosa. Antibiotics, 10: e658 (2021). doi: 10.3390/antibiotics10060658.
  3. Morita Y, Tomida J, Kawamura Y. Responses of Pseudomonas aeruginosa to antimicrobials. Front. Microbiol., 4: Article 422 (2014). doi: 10.3389/fmicb.2013.00422.
杉田隆教授・博士(薬学)、松本靖彦准教授・博士(薬学)、倉門早苗講師・博士(薬科学)
  1. 皮膚マイクロバイオームと疾患制御
    皮膚には多種多様な微生物がマイクロバイオームとして絶妙なバランスを保持しながら常在していますが、このバランスが破綻すると疾患へ進展していくことがあります。当研究室では、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎や細菌性膣症などを対象に患者皮膚マイクロバイオームを解析し、その制御法の開発へと研究を展開しています。
  2. 病原微生物の感染機構の解明
    病原微生物の感染機構の理解はその感染症に対する治療法や予防法の確立に貢献します。当研究室では、トリコスポロンやカンジダなどの病原真菌を中心に遺伝学的な解析と無脊椎動物であるカイコを感染実験に用いるユニークな手法を複合させて研究を展開しています。
  3. 病原微生物の環境適応
    微生物の生存戦略のひとつに、バイオフィルム(BF)形成が挙げられます。BFは、多糖類などから構成されるマトリックスで覆われた微生物の集合体であり、BF内の病原微生物は抗菌薬や抗真菌薬に対して耐性を示します。当研究室では、BF形成機序を解明することで、難治性のBF感染症の予防・治療に資することを目的としています。
  1. Cho O, Matsumoto Y,Yamada T,Sugita T. Establishment of a gene recombination method for a major human skin commensal fungus, Malassezia restricta using Agrobacterium tumefaciens-mediated gene transfer system. Med. Mycol. 60, myac077, doi: 10.1093/mmy/myac077 (2022)
  2. Matsumoto Y, Sugiyama Y, Nagamachi T, Yoshikawa A, Sugita T. Hog1-mediated stress tolerance in the pathogenic fungus Trichosporon asahii. Sci Rep. 13, 13539, (2023)
  3. Kurakado S, Matsumoto Y, Sugita T. Comparing the virulence of four major clades of Candida auris strains using a silkworm infection model: Clade IV isolates had higher virulence than the other clades. Med Mycol. 61, myad108, (2023)
菱沼滋教授・薬学博士、小川泰弘准教授・博士(理学)、道永昌太郎講師・博士(薬学)

「細胞応答の分子薬理学と創薬・薬物治療への応用」

当研究室では、受容体機能の制御機構に関する基礎的研究に加えて、中枢神経疾患・脳傷害などの病態を分子レベルから個体レベルで解析することによって、新たな治療薬・治療戦略の確立を目指して研究を進めている。主要な研究項目は、以下の通りである。

  1. G 蛋白質共役型受容体の制御機構に関する研究
    G 蛋白質共役型受容体は、最も大きな受容体スーパーファミリーを形成するとともに、現在使用されている臨床薬の主要なターゲットにもなっている。本研究では、G 蛋白質共役型受容体として、免疫・炎症・アレルギーに密接に関与するヒスタミンH1受容体に焦点を当て、H1受容体に対する薬物の結合親和性制御機構やH1受容体を介した細胞内情報伝達の制御機構を分子・細胞レベルで明らかにする。
  2. グリア細胞の活性化制御機構の解明
    ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞は、健康な状態において脳環境の恒常性を維持する細胞として機能している。中枢神経系疾患時では、それぞれが相互作用することで神経傷害性や神経保護性など多様な反応を示すことが知られている。本研究では、グリア細胞間の相互作用によって生じる様々な活性化状態の制御機構を探索し解明する。
  3. アストロサイトの機能分子を標的とした脳傷害に対する新規治療薬の探索
    脳傷害は、脳機能を著しく低下させてしまう致命的な病態であるにも関わらず、現在までに有効な治療薬は確立されていない。脳傷害の悪化および回復には、脳内に存在するグリア細胞の一種であるアストロサイトが重要な働きを担うことが知られている。本研究では、脳傷害モデルマウスおよび培養アストロサイトを用いて、アストロサイトの機能分子に作用する薬物の脳傷害に対する治療効果および分子メカニズムを明らかにする。
  1. Michinaga S, Nagata A, Ogami R, Ogawa Y and Hishinuma S. Histamine H1 receptor-mediated JNK Phosphorylation is regulated by Gq protein-dependent but arrestin-independent pathways. Int J Mol Sci, 25, 3395 (2024).
  2. Michinaga S, Nagata A, Ogami R, Ogawa Y and Hishinuma S. Differential regulation of histamine H1 receptor-mediated ERK phosphorylation by Gq proteins and arrestins. Biochem Pharmacol, 213, 115595 (2023).
  3. Michinaga S, Sonoda K, Inazuki N, Ezaki M, Awane H, Shimizu K, Hishinuma S, Mizuguchi H. Selective histamine H2 receptor agonists alleviate blood-brain barrier disruption by promoting the expression of vascular protective factors following traumatic brain injury in mice. J Pharmacol Sci, 150, 135-145 (2022).
櫛山暁史教授・博士(医学)・糖尿病専門医、山室大介助教・博士(医学)・薬剤師、村松泰地助手・薬剤師
  1. 生活習慣病治療の選択および効果に影響を与える要因および背景の検討
    1. 医療施設データを用いた臨床研究
    2. 生活習慣病関連新規血清マーカーの探索
  2. テーラーメイド医療の実現に向けた臨床検体の測定
  3. 生活習慣病の発症予防を目指した創薬のための基礎的検討
    1. 糖尿病合併症治療薬
    2. 肥満症治療薬
    3. 抗動脈硬化薬
  4. Clinical Question の解決を目的としたデータベースおよび文献的研究
  5. 薬物の物理化学的特性に基づく薬物の動態・効果・副作用の予測研究
  1. Analysis of Adverse Events of Cholinesterase Inhibitors and NMDA Receptor Antagonists on Arrhythmias Using the Japanese Adverse Drug Event Report Database. Kobayashi S, Sugama N, Nagano H, Miyamori A, Takahashi M, Kushiyama A. Drugs Real World Outcomes. 2023 Apr 22. doi: 10.1007/s40801-023-00362-6. PMID: 37086360
  2. Decline in renal function associated with cardiovascular autonomic neuropathy positively coordinated with proteinuria in patients with type?2 diabetes. Muramatsu T, Takahashi M, Kakinuma R, Sato T, Yamamoto M, Akazawa M, Tanaka K, Kikuchi T, Kushiyama A. J Diabetes Investig. 2022 Jan;13(1):102-111. doi: 10.1111/jdi.13625. Epub 2021 Jul 27. PMID: 34228899
  3. Fenofibrate Nano-Eyedrops Ameliorate Retinal Blood Flow Dysregulation and Neurovascular Coupling in Type 2 Diabetic Mice. Hanaguri J, Nagai N, Yokota H, Kushiyama A, Watanabe M, Yamagami S, Nagaoka T. Pharmaceutics. 2022 Feb 9;14(2):384. doi: 10.3390/pharmaceutics14020384. PMID: 35214116
赤沢学 教授 PhD(公衆衛生学)・MPH、酒井良子 准教授 博士(医学)・MPH、熊澤良祐 助教 博士(医学)
薬剤疫学研究
  1. 注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬の使用実態に関する研究
  2. 経口糖尿病治療薬の適正使用と副作用リクスに関する研究
  3. 大規模レセプトデータを使用したリウマチ性疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血管炎)の診療実態解明のための薬剤疫学研究
  4. 大規模医療ビッグデータを用いたリウマチ性疾患における医療ニーズに関する疫学研究
  5. 大規模医療データベースを用いた心房細動患者の脳梗塞予防における直接経口抗凝固薬(DOAC)の適正使用に関する薬剤疫学研究
薬剤経済学研究
  1. 進行膵癌に対するがん化学療法の費用対効果に関する検討
  2. 薬剤耐性対策の費用対効果を適切に評価するための研究手法の開発
  3. 医薬品・医療機器等の費用対効果評価における分析ガイドラインの改定に資する研究
  4. 関節リウマチ患者における生物学的製剤の自己注射の医療経済評価
  5. 高齢心房細動患者における脳梗塞予防のための直接経口抗凝固薬(DOAC)の費用対効果
ヘルスサービス研究
  1. がん化学療法の医療経済評価に関する研究(イムス三芳総合病院との共同研究)
  2. がん患者の神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬の適正使用に関する研究(杏林大学医学部附属病院との共同研究)
  3. 免疫チェックポイント阻害薬のirAEのマネジメント(武蔵野赤十字病院との共同研究)
  4. 小児用治療薬の有効性及び安全性に関する研究(国立成育医療研究センターとの共同研究)
  5. 大腿骨近位部骨折患者における再骨折リスクに関する研究(東川口病院との共同研究)
  1. Murakami S, Akazawa M, Honda H. Difference between days of therapy and days of antibiotic spectrum coverage in an inpatient antimicrobial stewardship program: Vector autoregressive models for time-series analysis. Infect Control Hosp Epidemiol. 202;45(4):459-466.
  2. Takumoto Y, Shibahara R, Asami H, Akazawa M. Treatment patterns and cost estimations of systemic chemotherapy for pancreatic cancer in Japan: A retrospective database study. Cancer Med. 2023;12(13):14742-14755.
  3. Sakai R, Tanaka E, Majima M, Harigai M. Unincreased risk of hospitalized infection under targeted therapies versus methotrexate in elderly patients with rheumatoid arthritis: a retrospective cohort study. Arthritis Res Ther. 2022;24(1):135.
馬場正樹准教授・博士(薬学)
  1. 漢方の国際標準化と標準的漢方治療を学習するシステムの構築
  2. 生薬の修治の意義についての研究
  3. 漢方方剤服用時の成分変化に関する研究
  1. Reactions of Pharmaceutical Science Students to Kampo Medicine Education Using the Fukushin Simulator Baba M., Fukuda E., Sakata K., Naito T., Mori N., Yakubo S., Lavin RS. International Medical Journal, 30(3), 155-158, 2023.
  2. Fact-Finding on the Quality of Crude Drugs in Clinical Practice (II): Ingredient Amount for Ephedra and Five Other Herbs Sakata K., Baba M., Odaguchi H., Hanawa T., Yakubo S. International Medical Journal, 30(1), 21-25, 2023.
  3. Kampo formula-pattern models: the development of 13 new clinically useful standard abdominal pattern models in the Fukushin simulator Yakubo S., Baba M., Odaguchi H., Wakasugi A., Sekine M., Hanawa T., Mitsuma T., Namiki T., Arai M., Muramatsu S, Shimada Y., Shibahara N. Frontiers in Pharmacology, doi: 10.3389/fphar.2022.688074, 2022.
小林カオル教授・博士(薬学)、宮嶋篤志講師・博士(薬学)、峰岸元気助教・博士(薬学)

研究テーマ「薬物の代謝・動態を基盤とした薬物治療の適正化」

  1. 薬物動態関連因子ヒト化動物を用いた薬物動態予測モデルの構築
    1. 核内受容体を介した薬物代謝・動態の変動予測
    2. 小腸代謝による個人差・個人内変動の定量的予測
    3. 薬物間相互作用における個人差と遺伝子多型の関連性解析
  2. 医薬品による副作用および毒性発現に関する研究
    1. 薬物の生体内代謝による毒性発現メカニズムの解明
    2. 薬物間相互作用による副作用発現メカニズムの解明
    3. 頭皮冷却が皮膚・毛髪中抗がん剤濃度に与える影響
  1. Metabolic disposition of triazolam and clobazam in humanized CYP3A mice with a double knockout background of mouse Cyp2c and Cyp3a genes. Kobayashi K, Minegishi G, Kuriyama N, Miyajima A, Abe S, Kazuki K, Kazuki Y. Drug Metab Dispos 51, 174-182 (2023)
  2. Analysis of in vitro and in vivo metabolism of zidovudine and gemfibrozil in trans-chromosomic mouse line expressing human UGT2 enzymes. Kobayashi K, Deguchi T, Abe S, Kajitani N, Kazuki K, Takehara S, Nakamura K, Kurihara A, Oshimura M, Kazuki Y. Pharmacol Res Perspect 10, e01030 (2022)
  3. In vivo evaluation of intestinal human CYP3A inhibition by macrolide antibiotics in CYP3A- humanised mice. Minegishi G, Kazuki Y, Nitta S, Miyajima A, Akita H, Kobayashi K. Xenobiotica 51, 764-770 (2021).
花田和彦教授・博士(薬学)、髙橋雅弘講師・博士(臨床薬学)、渡辺史也助手・学士(薬学)

    「薬物治療における効果・副作用発現の個体間差および個体内差を生じる要因を解明し、解決する」ことをメインテーマとして、以下の研究を主に展開している。

    1. 定量的システム薬理学を利用した薬物動態と薬力学に関する研究
    2. 授乳婦に対する薬物治療の適正化に関する研究
    3. 抗酸菌症薬の薬物動態・薬力学・副作用の関係の解析
    4. 種々の手法を用いた薬物動態及び薬力学パラメータの予測モデルの構築の検討
    5. 各種データベースを用いた医薬品の有効性及び安全性の解析
    6. 血中非結合形薬物濃度に基づいた個別投与設計法に関する検討
  1. Sasano H and Hanada K. Assessing clinical outcomes of vancomycin treatment in adult patients with vancomycin-susceptible Enterococcus faecium bacteremia. Antibiotics, 12, 1577 (2023).
  2. Takahashi M, Shibasaki M, Echizen H, Kushiyama A. Comparisons between dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and other classes of hypoglycemic drugs using two distinct biomarkers of pancreatic beta-cell function: A meta-analysis. PLoS One, 15, e0236603 (2020).
  3. Watanabe F, Furuuchi K, Hanada K, Fujiwara K, Uesugi F, Hiramatsu Y, Yoshiyama T, Shiraishi Y, Kurashima A, Ohta K, Morimoto K, Pharmacokinetics and adverse effects of clofazimine in the treatment of pulmonary non-tuberculous mycobacterial infection Antimicrob Agents Chemother. 66, e0044122. (2022).
植沢芳広教授・博士(薬学)、朝田瑞穂助教・博士(薬学)

研究テーマ「医療データに対する計算機科学的なアプローチにより、臨床応用可能な知見の創出を目指す」

  1. 化学構造情報に基づく医薬品・化学品の生理活性予測
    1. 薬効
    2. 副作用・毒性発現リスク
    3. 薬物体内動態
  2. 人工知能を駆使した有害性発現経路の解析
    1. 化学構造に基づく分子起始反応の予測
    2. 毒性・副作用発現機序の解明
  3. 多変量解析およびデータマイニング手法を用いた副作用発現因子の探索
    1. 患者背景因子
    2. 医薬品および併用薬の影響
    3. ドラッグリポジショニング
  1. Progress in Predicting Ames Test Outcomes from Chemical Structures: An In-Depth Re-Evaluation of Models from the 1st and 2nd Ames/QSAR International Challenge Projects. Uesawa Y. Int J Mol Sci. 2024 23;25(3):1373.
  2. Predictive Models Based on Molecular Images and Molecular Descriptors for Drug Screening. Mamada H, Takahashi M, Ogino M, Nomura Y, Uesawa Y. ACS Omega. 2023 13;8(40):37186-37195.
  3. Identifying Crude Drugs in Kampo Medicines Associated with Drug-Induced Liver Injury Using the Japanese Adverse Drug Event Report Database: A Comprehensive Survey. Kimura K, Kikegawa M, Kan Y, Uesawa Y. Pharmaceuticals (Basel). 2023 1;16(5):678.
大野恵子教授・博士(臨床薬学)、鈴木陽介講師・博士(薬学)、小田絢子助教・博士(薬学)

市販後の医薬品が適正に使用されるために、医薬品情報の評価、提供・提案を行う。また、医薬品の適正使用につながる臨床的及び基礎的知見を明らかにする。

  1. 医薬品の有効性並びに副作用に関する情報を統計学的または実験的に検証する。
  2. 医薬品を適正使用するための方法論の確立、およびその妥当性の臨床的評価を行う。
  3. 医薬品の効果と副作用の個人差に関連する因子を探索する。
  1. Oda A, Suzuki Y, Sato H, Koyama T, Nakatochi M, Momozawa Y, Tanaka R, Ono H, Tatsuta R, Ando T, Shin T, Wakai K, Matsuo K, Itoh H, and Ohno K, Evaluation of the usefulness of plasma 4β-hydroxycholesterol concentration normalized by 4α-hydroxycholesterol for accurate CYP3A phenotyping. Clin. Transl. Sci., 17, e13768 (2024).
  2. Yoshijima C, Suzuki Y, Oda A, Tanaka R, Ono H, Itoh H, and Ohno K, Usefulness of Belimumab in Adult Patients With Systemic Lupus Erythematosus Evaluated Using Single Indexes: A Meta-Analysis and Systematic Review. Curr. Ther. Res. Clin. Exp., 100, 100738 (2024).
  3. Oda A, Suzuki Y, Yoshijima C, Sato H, Tanaka R, Ono H, Tatsuta R, Ando T, Shin T, Itoh H, and Ohno K., Evaluation of effects of indoxyl sulfate and parathyroid hormone on CYP3A activity considering the influence of CYP3A5 gene polymorphisms. Br. J. Clin. Pharmacol., 89, 3648-3658 (2023).
蒲生修治教授・博士(薬学)、若林朋子准教授・博士(薬学)、望月靖子講師・博士(医学)

 疾病の発症メカニズムを解明することにより、その効果的な予防法の開発につなげる研究を行っている。具体的には以下のようなテーマで研究を行う。

  1. n-3系多価不飽和脂肪酸によるパーキンソン病に対する予防・治療効果の検討 ~ミクログリアの活性化調節を中心に~
  2. アルツハイマー病・神経変性疾患の原因となる異常タンパク質の蓄積を制御するシグナルや環境因子に関する研究
  3. アクアポリンが制御する脳浮腫の新規メカニズムの解明および治療法の開発
  1. Tanaka-Totoribe N, Hidaka M, Gamoh S, Yokota A, Nakamura N, Kuwabara M, Tsunezumi J, Yamamoto R. Effects of M-1, a major metabolite of sarpogrelate, on 5-HT-induced constriction of isolated human internal thoracic artery. Biol. Pharm. Bull. 43(12): 1979-1982, 2020
  2. Gamoh S, Shiba T, DiPette DJ, Yamamoto R. Differences in the response to periarterial nerve stimulation or exogenous noradrenaline infusion in the mesenteric vascular bed with the intestinal tract harvested from commonly used rat models of hypertension. Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 46(5): 427-434, 2019.
  3. Sano T, Ochiai T, Nagayama T, Nakamura A, Kubota N, Kadowaki T, Wakabayashi T, Iwatsubo T. Genetic reduction of insulin signaling mitigates amyloid-β deposition by promoting expression of extracellular matrix proteins in the brain. J. Neurosci. 43(43):7226-7241, 2023
服部研之教授・博士(薬学)、大山悦子講師・博士(薬学)、進藤佐和子講師・博士(薬学)

老化や疾病を予防するために「環境ストレスによる傷害メカニズムと生体防御」を研究テーマとしている。具体的には、加熱式たばこなどの化学的なストレスや紫外線等の非電離放射線による物理的なストレスに対する生体応答と傷害メカニズムの解析を行い、予防法に関する研究を行っている。また、老化に関連する疾患として血栓症の治療薬およびエストロゲン受容体の遺伝子改変マウスの老化促進メカニズムに関する研究を行っている。

  1. Koike, S., Sato, K., Sawa, M., Inaba, Y., Hattori, K., Nakadate, K., Ushiyama, A. and Ogasawara, Y., Exposure to Heated Tobacco Products Aerosol Causes Acute Stress Responses in the Lung of Mouse. Antioxidants, 11, 2329 (2022)
  2. Sawa, M., Ushiyama, A., Inaba, Y. and Hattori, K. Increased oxidative stress and effects on inflammatory cytokine secretion by heated tobacco products aerosol exposure to mice. Biochem. and Biophys. Res. Commun. 610, 43 (2022)
  3. Ohtani, S., Ushiyama, A., Wada, K., Suzuki, Y., Ishii, K., Hattori, K., No evidence for genotoxicity in mice due to exposure to intermediate-frequency magnetic fields used for wireless power-transfer systems. Mutation Research/Genetic Toxicology and Environmental Mutagenesis, 863-864, 503310 (2021)
野澤玲子准教授・博士(薬学)、相田和輝助手・学士(薬学)

がんや生活習慣病の症状管理、これらの疾患治療による副作用管理に対する治療薬開発につなげる基礎的研究ならび臨床研究を行っている。

  1. がん患者の症状管理およびがん治療により惹起される副作用発症メカニズムの解明とその新しい治療薬開発に関する基礎的および臨床研究
  2. 生活習慣病およびその合併症の発症メカニズムの解明とその新しい治療薬開発に関する基礎的および臨床研究
  3. 循環器系疾患の成因・進展のメカニズムの解明とその新しい治療薬開発に関する基礎的および臨床研究
  1. Effect of Shitei-To, a Traditional Chinese Medicine Formulation, Against Hiccups -Effects of Shitei Extract on Drug-induced Convulsions in Mice-. Ishii-Nozawa R, Baba M, Okada Y, Kagaya H, Pharmacometrics, 102, 69 (2022).
  2. The Association between Molecular Initiating Events and Drug-Induced Hiccups. Hosoya R, Ishii-Nozawa R, Terajima T, Kagaya H, Uesawa Y, Pharmaceuticals, 17, 379 (2024).
  3. Dysfunction of Neurotransmitter Modulation System on Adrenergic Nerves of Caudal Artery in Type 2 Diabetic Goto-Kakizaki rats. Ishii-Nozawa R, Mita M, Shoji M, Takeuchi K., Biol. Pharm. Bull. 35, 1091-1095 (2012).
中舘和彦教授・博士(医学)
  1. 神経可塑性の解明
    我々哺乳類をはじめ神経系を持つ動物には、共通の神経可塑性メカニズムが存在しています。外来からの刺激に反応する過程で、より外来の刺激に対応(適応)出来るようになります。この神経の変化を神経可塑性と呼びます。この神経可塑性は反射のレベルから高次記憶に至るまで様々なレベルで起こります。当研究室は、神経可塑性のメカニズム解明が今後の様々な神経疾患の寄与できると考え、末梢神経だけでなく、中州神経系の海馬、視覚野などを対象に組織学的、微細構造学的に解析し、当該研究を展開しています。
  2. 神経変性メカニズムの解明
    神経系は様々な外来の刺激を伝えるため、その構造は非常に長い軸索を持っています。この構造が維持されている限り、我々は刺激を感じ、またその刺激に呼応するための反応をすることができます。しかしながら、様々な疾患によって神経系の特異的な構造が維持できなくなることで、刺激の伝搬が困難になることが知られています。脳内で起こるアルツハイマー疾患、パーキンソン病を始め、末梢神経でも多くの疾患とともに交通事故などにより神経切断なども起こっています。様々な原因によって引き起こされる神経系の構造破綻に伴い、どのように神経が変性していくのかを当研究室では解析しています。その変性メカニズムの解析は、神経変性予防法の確立、そして治療法の確立へ貢献できるものと考えています。
  3. 種々の臓器に対する薬剤等の影響解析
    ヒトの体内には様々な臓器が存在し、それらの作用が複雑にリンクしながら個体を維持しています。薬剤や様々な環境因子が各臓器に影響を及ぼすことで、体内環境が変動し他臓器に影響が広がっていきます。我々は、薬剤や多くの環境因子など(例えばタバコや加熱式タバコ、発がん物質)が第一ターゲット臓器にどのような影響を及ぼしているのかを解析し、次に他臓器にどのように影響を及ぼすのかを病理組織学的に検討しています。皮膚から内臓まで網羅的な解析をすることで、様々な疾患の予防や治療に貢献することを目的とし、臓器間の相互作用について研究を進めています。
  1. Nakadate K, Kawakami K. Immunohistochemical and Immunoelectron Microscopical Distribution of MEGF8 in the Mouse Central Nervous System. Cells. 13(1):63, (2023).
  2. Nakadate K, Kawakami K, Yamazaki N. Combined Ingestion of Tea Catechin and Citrus β-Cryptoxanthin Improves Liver Function via Adipokines in Chroni Obesity. Nutrients. 15(15):3345 (2023).
  3. Nakadate K, Kawakami K. Molecules Affecting Brain Development and Nervous System. Int J Mol Sci. 24(10):8691. (2023).
石井里枝教授・博士(薬学)、松井勝彦教授・薬学博士、佐藤光利教授・薬学博士、鈴木俊宏准教授・博士(薬学)、下川健一准教授・博士(薬学)、安武夫准教授・博士(臨床薬学)、杉富行講師・博士(薬学)

本講座の構成研究室は、食品衛生化学(石井 教授)、臨床免疫学(松井 教授)、医薬品安全性学(佐藤 教授)、がん個別化医療学(鈴木 准教授)、医療製剤学(下川 准教授)、治療評価学(安 准教授)、循環薬理学(杉 講師)の7研究室であり、各研究室が全講座的な連携をとり、「免疫疾患・皮膚疾患・循環器疾患・悪性腫瘍などの臨床上重要な疾病及び健康の維持を題材に、病態発生機構の解明、治療法の考案、薬の製剤化・安全性評価及び食の安全確保などの基礎研究から薬物治療に関する臨床研究まで広範囲にわたる医療薬学研究」をテーマとして各プロジェクトを進めているのが特徴である。

  1. 医薬品による薬物治療の有効性及び安全性、ならびに副作用対策に関する基礎及び臨床研究により、難治性疾患に対する新規治療薬を開発する。抗がん剤誘発性腎障害の予防薬や炎症性腸疾患モデル動物を用いた新規治療薬の探索を行っている。
  2. 肺癌の個別化医療を目指し、臨床の治療で使われている薬の効果の強弱を決める因子をNGSやQ-PCRによる遺伝子発現解析、遺伝子改変による機能解析等を用いて分子レベルで解明し、臨床応用可能な新規バイオマーカーを探索している。また、新規治療薬開発を目指し、培養細胞を用いた化合物スクリーニングによって、抗癌剤ではない既存の承認薬による抗腫瘍効果の解析を行っている。
  3. 医療に対する患者満足度が高まり、治療効果が向上する薬物治療の構築を目指す。また、医療現場におけるClinical Questionの解決に向けた医療現場と連携する医療薬学研究を行っている。悪性腫瘍、循環器疾患、慢性腎臓病、糖尿病などを中心に治療薬及び治療法に関する調査研究、薬物血中濃度と有効性・安全性に関する研究、医療ビックデータを用いた薬物治療の最適化に関する研究を行っている。
  1. Tanaka H., Satoh M., Takigawa M., Onoda T., Ishii T.: Characteristics of adverse event reports among people living with HIV in Japan: Data mining of the Japanese Adverse Drug Event Report database. Drug Discoveries & Therapeutics, 17(3), 183-190, 2023.
  2. Suzuki T., Sirimangkalakitti N., Baba A., Toyoshima-Nagasaki R., Enomoto Y., Saito N., Ogasawara Y.: Characterization of the nucleotide excision repair pathway and evaluation of compounds for overcoming the cisplatin resistance of non?small cell lung cancer cell lines. Oncol. Rep., 47(4), 70-78, 2022.
  3. Yasu T., Gando Y., Shirota M., Kosugi N., Kobayashi M.: Association between plasma venetoclax trough levels and serum C-reactive protein levels in patients with acute myeloid leukemia treated with venetoclax plus azacitidine. Leuk Lymphoma., 65(1), 128-131, 2024.
前田英紀教授・博士(薬科学)

医薬品・医療機器開発、製造販売後におけるレギュラトリーサイエンスによる研究を通じて、有効で安全な医薬品・医療機器の戦略的・効率的開発の研究を実践的・科学的に進めています。

  1. 臨床開発の戦略的・効果的開発に関する研究
    臨床試験・製造販売後試験に関するデザイン・エンドポイントおよび用法用量の研究、製造販売承認に関する規制当局の方法論・ガイドラインの国際比較、バイオマーカーの検討、リアルワールドデータを活用した薬事承認の可能性の検討、医薬品・医療機器価格と開発戦略との関連の調査等を行い、医薬品・医療機器開発の課題を捉え、体系化された開発の方法論の創出を目指しています
  2. 早期患者アクセス・アフォーダビリティ、ドラッグラグに関する研究
    新医薬品・医療機器の早期患者アクセスに関する方法論の整理・提案を目的に、日本と欧米・アジアと日欧米のドラッグラグ、適応外使用、コンパッショネートユース等に関する調査研究を行い、開発戦略のあり方に関する研究を行っています。
  3. 安全性評価に関する研究、補償に関する研究
    製造販売後の安全性監視、安全対策、製造販売後調査、リスク管理計画、さらには副作用に対する補償に関する研究を行い、製造販売後医薬品・医療機器の課題について調査、整理しています。
  4. その他、薬事行政関連のパフォーマンス評価、新医薬品・医療機器開発の客観的分析、ヘルスケア産業の中での製薬企業の役割・組織、産官学連携等に関して、調査・研究を行い、政策提言につなげていくことを目標にしています。
  1. Maeda H, Hara A, Ofuchi M, Shingai R, Misumi T, Murai Y. Trends in oncology drug lags in Japan from 2001 to 2020: A cross-sectional study. Clin Transl Sci. 2023 Dec;16(12):2665-2674. doi: 10.1111/cts.13660.
  2. Maeda H, Shingai R, Takeda K, Hara A, Murai Y, Ofuchi M. Assessment of Surrogate End Point Trends in Clinical Trials to Approve Oncology Drugs From 2001 to 2020 in Japan. JAMA Netw Open. 2023 Apr 3;6(4):e238875. doi:10.1001/jamanetworkopen.2023.8875.
  3. Okabe A, Hayashi H, Maeda H. Correlation of anticancer drug prices with outcomes of overall survival and progression-free survival in clinical trials in Japan. Curr Oncol. 2023, 30, 1776?1783.

明治薬科大学の連携大学院方式

近年、バイオサイエンスの高度な展開により、医科学の研究に関心のある学生も多くなっております。この社会的要請と学生からの要請に応えるため、2001年度から明治薬科大学大学院は医科学研究まで教育の拡大を目指して連携大学院方式を導入し、連携部門コースを薬学専攻博士課程(前期)の中に設置しました。
2010年度から大学院生命創薬科学専攻博士課程(前期)の設置に伴い、医科学の基礎研究となる分野を連携部門コースの中に存続させることにしました。なお、旧課程(薬学専攻博士課程(前期))の募集停止に伴い、医療薬学研修コースの募集は停止しました。
2014年度から、博士課程(後期)の募集を開始しました。

連携部門コースのカリキュラム

生命創薬科学専攻博士課程(前期)の連携部門コースを選択した学生は本学大学院薬学研究科に在籍し、課程修了に必要な単位は、連携部門コースで定められたカリキュラム(生命創薬科学課題研究、学術論文総説講演Ⅰ)以外は本学において修得します。

連携部門での博士課程(前期)課題研究

研究場所:連携医療機関の基礎または臨床研究室、医科学研究機関
研究期間:2年間
単  位:生命創薬科学課題研究として10単位とする。
指導教員:課題研究指導依頼先の連携部門責任者(本学連携大学院客員教員に任命)。また、各連携機関との連絡のために本学に連携大学院委員会を置き、大学院担当専任教員から副指導教員を選任し、連携先の学生の修学指導等に関し、補完的役割を担当する。

連携大学院方式に基づく博士課程生命創薬科学課題研究を行う連携部門

  1. 公益財団法人がん研究会がん研究所、がん化学療法センター   発がん研究部  がん生物部  分子生物治療研究部  ゲノム研究部
  2. 東京慈恵会医科大学医学部
    分子疫学研究部
  3. 公益財団法人東京都医学総合研究所
    パーキンソン病研究室
  4. 日本医科大学大学院医学研究科
    分子解剖学分野  解剖学・神経生物学分野  感覚情報科学分野   生体統御科学分野  薬理学分野   生体機能制御学分野  遺伝子制御学分野   循環器内科学分野  血液内科学分野  呼吸器内科学分野   臨床放射線医学分野  皮膚粘膜病態学分野  代謝・栄養学分野   解析人体病理学分野  腎臓内科学分野  アレルギー膠原病内科学分野   頭頸部・感覚器科学分野  形成再建再生医学分野 救急医学分野
  5. 日本獣医生命科学大学大学院
    獣医病理学 生体分子化学 獣医生化学
  6. 東京都健康長寿医療センター 研究所
    老化機構研究チーム・プロテオーム