臨床開発コース

治験が分かる薬剤師を養成

臨床開発研修(治験業務)

製薬企業等の臨床開発職、医療機関の臨床試験(治験)コーディネーター等が行う臨床試験の業務を通じて、薬剤師に必要な知識・技術・態度を習得します。大学での講義・演習と 3ヶ月間の治験関連施設での見学実習から構成され、臨床試験を手本にして問題解決能力の高い薬剤師を目指します。

臨床開発コース

コース責任者:門田 佳子准教授

実施報告

新薬の誕生には、有効性と安全性の証明が必要であり、医薬品を適切に使用するためにも情報が必要です。そこで、新薬の開発や治療のための根拠(エビデンス)を見出すために行われるのが、治験や臨床試験です。治験や臨床試験は、健康な人や患者を対象に研究を行うため、その科学性だけでなく、倫理性が担保されなければならず、そのための指針や規制(治験の場合はGCP省令)に則って行うことから、治験を企画依頼する者、実施する者、管理する者、監査する者、審査する者など様々な職種が関与します。このような観点から治験(臨床試験)は、被験者の安全を確保するために(治験)責任医師を中心に様々な職種が専門性を活かして協力するチーム医療と言えます。このチームの中で、薬学的な専門知識を活かして貢献できる薬剤師を育てることを目的として、臨床開発コースでは、治験(臨床試験)を実施している医療機関や企業において約3ヶ月の実習を行っています。

本コースでは、実習開始前の4月に講義と演習を行っています。講義では、治験のプロセスと実施体制、治験・臨床試験の倫理指針、試験デザインなど治験に関する知識の確認を行い、模擬治験審査委員会(IRB)やインフォームドコンセントのロールプレイ演習では、薬に関する情報や臨床試験データの解釈、倫理的配慮も意識した演習を行っています。また、ビジネスマナーやPC教室といった社会人としてのマナー教育も行っています。治験や臨床試験では、機密事項も扱っていることから守秘義務の重要性についても指導を行っています。

実習終了後には、期毎に学内での実習報告会を行い、それぞれの実習施設で学んだ成果を発表します。また、年に一度、実習施設の先生方に学生の実習成果を発表する全体報告会も開催しています。

薬学科6年(撮影時):平田 千裕さん

学生の声

私は、医薬品の誕生に関して、通常の実務実習では中々経験できないとても貴重な現場を見られるのではないかと思い、臨床開発コースを選びました。
医薬品の開発現場における薬剤師の仕事は、被験者への投薬はもちろんのこと、治験薬の厳重な管理や医薬品の承認に必要な書類の文書を起こすこと等、多岐に渡ります。まだ医薬品として認められておらず、時には「ヒトに初めて投与」、「日本人に初めて投与」というような治験の世界では、過剰な効果の出現や未知の副作用に備えての安全性の確保は必須です。承認に必要な細かなデータ採取と被験者の安全を守る現場では、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師等の他職種連携がとても密接にあり、正にチーム医療が行われていました。
私はコース実習中に被験者を対象にアンケート調査を行い、その結果を日本薬学会で発表する機会に恵まれました。医薬品の承認書類に関して適切な言葉の選択が求められる実習現場の教育担当者からは、学会でのポスター発表に際して沢山の指導をして頂き、言葉を選ぶことの大切さと難しさを実感しました。
実習中に学会発表可能な調査・研究ができる自由度の高さと、それに協力して下さる実習施設の教育担当者の方々や本学のコース担当の先生方がいるというのは臨床開発コースの魅力の一つだと思います。コース実習を通じて感じた医薬品開発の大変さや服用時点・服用回数の根拠、言葉選びの重要性を念頭に置きながら、将来薬剤師として仕事に活かしていきたいと思います。