明治薬科大学 広報 No.99
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 本学では10年間で、AACDDを中心として相手国の貴重な財産である生物活性天然物を題材とするいくつかの創薬研究課題を展開するとともに最新の研究成果を積極的に世界に発信することにより、本学を国際交流拠点とするアジア圏諸国への柔軟性の高い創薬研究ネットワークの構築に努力してきました。その結果、これまでに築き上げてきた強固な相互信頼関係を基盤とする本学の国際交流活動は、他の私立薬科大学では絶対に模倣できない独自の展開を着実に歩んでいます。 本学薬学部薬学科では海外医療研修コースを設置し、欧米の大学機関に学生を派遣して英語による実務実習、および体験報告により国際的な感覚を身につけた薬剤師を育成してきました。しかし、世界的な政情不安に伴うテロ活動や経済的な流動性に伴う費用高騰の問題が急浮上するなど、相互交流活動の継続的な展開に様々な障害が生じています。一方、タイは仏教国であり、我が国の皇室とタイの王室を始め歴史的に見ても我が国との交流関係はたいへん良好であること、治安が比較的安定しており、生活習慣が似ている点や時差がわずか2時間であることなど、双方の学生が交流活動を展開するにあたり、極めて柔軟に対応できる環境が整備されています。そこで、これまでのAACDD事業成果を活かしつつ、新たな研修先をアジア圏に開拓すべく、本学のタイ側学術交流協定締結校であるチュラロンコン大学(CU)薬学部とマヒドン大学(MU)薬学部を選び、双方の学生の派遣・招聘に向けた準備作業を開始しました。すなわち、2017年3月上旬、本学から教員4名と薬学科4年生3名、生命創薬科学科4年生2名、及び大学院生命創薬科学専攻博士課程(前期)1名をバンコクに短期間派遣し、相手側の付属薬局で医療研修を体験するとともに、学生から寄せられた感想や要望を収集しました(写真1、2)。これをもとに、2018年度以降、相互交流の具体的な実施に向けた体制・整備の構築を計画しています。 一方、今回の訪問に合わせてCU主催で国際セミ ナー(The JSPS-NRCT Follow-up Seminar 2017)が2017年3月2日〜3日に大学周辺のバークレーホテルで開催されました。このセミナーでは、これまで日本学術振興会(JSPS)とタイ学術振興会(NRCT)から資金援助を受けた両国の研究機関に所属する研究者や学生が一堂に会し、国際共同研究を継続して展開していることを明確に示すことが求められています。今回は基調講演8件、招待講演26件、口頭発表15件、およびポスター発表73件であり、参加者総数は300名を超える大規模なものでした。本学からは、教員2名が講演しました(基調講演1件、招待講演1件)。また、学生4名がポスター発表し、うち2名がポスター優秀発表賞を受賞しました(写真3、4:大学院HP参照)。 このように、AACDD活動の新たな展開として、国際的感性に優れた薬剤師の育成をめざした新しいプログラムが動き出しました。(アジア・アフリカ創薬研究センター長 齋藤 直樹)写真3 国際セミナーに参加した本学の学生&マヒドン大学大学院生(本学留学生:写真中央)写真1 チュラロンコン大学(CU)薬学部付属薬局への訪問写真4 ポスター優秀発表賞受賞者(左から3、4番目が本学学生受賞者)写真2 マヒドン大学(MU)薬学部付属薬局への訪問アジア・アフリカ創薬研究センター(AACDD)報告東南アジアとの交流:タイの学術交流協定締結校における海外医療研修コースの開拓に向けて16

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