教育・研究

産学連携

寄付講座

セルフメディケーション学講座(ウエルシアホールディングス株式会社寄付講座)

日本では国民皆保険制度下、セルフメディケーションの意識が遅れ、処方薬中心の医療体系が主流となっているのが現状です。大きな社会問題となっている医療費高騰を抑制するためにも、セルフメディケーションの推進は不可欠であり、これは地域の薬剤師および薬局が担うべき役割であります.そこで、セルフメディケーションを中心にすえた以下に示す5つの連携したテーマを中心に国民の健康に対する維持推進に努めるために、地域医療現場およびその関連分野と密に連携した研究活動を行います。

<テーマ1>
一般用医薬品を用いるセルフメディケーションおよび医療医薬品を用いる医師の診断による治療の統括的比較研究

  一般用医薬品を用いるセルフメディケーションと、医療医薬品を用いる医師の診断による治療では、医薬品の品質および有効性、患者および国が負担する費用、薬剤師の役割にどのような差があるかを比較する調査を行います。患者が両者を選択する基準についても現状を調査し、適正な選択ができているかを検討するとともに、適正な判断をするために必要な情報を、公共の機関や地域のコミュニティを通じて提案する方法を検討して実施し、その効果を確認します。

<テーマ2>
健康診断検査結果による予防医学的セルフメディケーションの実践およびその評価研究

  健康診断検査結果に従った予防医学的セルフメディケーションのあり方を考え実施し、その効果を調査します。結果として、地域の薬局および薬剤師と連携して行うセルフメディケーション、その場所としての理想的な健康管理ステーションの実現を目指します。

<テーマ3>
運動機能に関連する検査およびエクササイズ指導によるセルフヘルスメンテナンス(自身で行う健康管理)の実践およびその評価研究

  運動機能に関連する検査およびエクササイズ指導によるセルフヘルスメンテナンス(自身で行う健康管理)のあり方を考え実施し、その効果を調査します。つまり、地域住民が簡単な運動機能検査を受けて、提示されたエクササイズメニューを実施することを、地域の薬局の薬剤師あるいはスタッフに相談しながら行うと効果的であることを証明します。また、その結果を公共の機関や地域のコミュニティを通じて提案し、その効果を確認します。

<テーマ4>
薬剤師のアドバイスに基づく一般用医薬品を用いたセルフメディケーションの治療効果の実証研究

  薬剤師のアドバイスに基づく一般用医薬品を用いたセルフメディケーションの治療効果を実証するために、臨床データとしての治療前後の状態と治療内容を調査します。一般用医薬品を用いるセルフメディケーションの治療効果を実証し、成果として得られる情報を薬剤師あるいは登録販売士の教育に活かし、適正なセルフメディケーションを推進します。

<テーマ5>
薬剤師のアドバイスに基づくセルフメディケーション実施のための、より効果的、高品質な商品開発研究

  薬剤師のアドバイスに基づく一般用医薬品を用いたセルフメディケーションを実施する際に生じる商品の問題点や改善点を考慮した、より効果的かつ高品質な商品の開発研究を行い、その成果として商品化した薬剤を用いたセルフメディケーションを実施し、臨床データとしての治療前後の状態と治療内容を調査します。

臨床遺伝学教室(大日本住友製薬株式会社、ジェンザイム・ジャパン株式会社寄付講座)

  「ライソゾーム病」は、細胞内小器官のひとつであるライソゾームの中に存在する酵素の欠損によって起こる一群の先天性代謝異常症です。本症では、本来はライソゾームの酵素によって分解される筈の基質が細胞内に蓄積するため、多彩な臨床症状を示し、欠損する酵素の種類によって約40種類のライソゾーム病が存在します。これらのライソゾーム病は、これまで極めて稀な病気と考えられ、根本的治療法もなかったため、「不治の病」とされて来ました。しかし、最近のスクリーニングなどの調査結果から、ライソゾーム病は、全体では数千人に一人の割合で発症する頻度の高い疾患群であることが知られ、小児科や内科などで、その臨床的重要性が再認識されるようになりました。さらに、遺伝子工学で作られたヒト組み換えライソゾーム酵素を定期的に血管内に投与する「酵素補充療法」が導入されたことにより、その治療薬の開発が世界的に競われています。
  しかし、ライソゾーム病においては、その原因となる遺伝子レベルでの研究は進んだものの、病態を真に理解するのに必要な蛋白質分子レベルの研究は遅れており、ライソゾーム病を円滑に診断し、早期治療に結びつけるための診断システムも完成されていないのが現状です。また、現行の酵素補充療法の治療薬は、ライソゾーム病治療に大きな貢献をなしているものの、著しく高価であること、ターゲット臓器への取り込み効率が低いことやアレルギー反応などの有害副反応が生じ易いなどの多くの問題があり、その改善が患者・家族、医師などの医療関係者や行政から強く望まれています。
  本講座は、これらの問題を解決するため、1)ライソゾーム病の病態を蛋白質分子レベルで明らかにすること、2)ライソゾーム病の疑いがある患者群を早期に円滑に診断するためのハイリスク・スクリーニングのシステムを構築すること、3)ライソゾーム病の病態や治療効果判定の目安となるバイオマーカーの測定法を確立すること、4)優れた治療法を開発することを目的として、基礎研究とその臨床応用を行います。

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