大学院

生命創薬科学専攻

生命科学コース

生命科学コースでは、分子レベルの病態機能解析などから治療薬の分子標的を探ります。
生体分子と薬物分子の視点から新しい治療薬の標的分子を特定します。ゲノム情報を活用しながら生体と薬との関係を多面的に研究するコースです。
生命科学コースを構成する研究室は、以下の研究室です。

研究概要と関連論文

長浜 正巳 研究室(生体分子学)

長浜正巳教授・博士(学術)、石田洋一講師・博士(薬学)

AAA-ATPaseファミリーの分子シャペロンとしての働きについて、動物細胞の機能制御という観点から、リボソーム生合成およびrRNA代謝に関する研究を中心にプロジェクトを進めている。
動物細胞のリボソーム生合成およびrRNA代謝は、リボヌクレアーゼやRNAヘリカーゼをはじめとした多数の分子による複雑かつ秩序立った連携により成立している。これらの分子間相互作用を制御する分子シャペロンの働きについて、AAA-ATPaseファミリーに属するNVL2 の機能を中心に解析をしている。

  1. Yoshikatsu, Y., Ishida, Y., Sudo, H., Yuasa, K., Tsuji, A., and Nagahama, M. NVL2, a nucleolar AAA-ATPase, is associated with the nuclear exosome and is involved in pre-rRNA processing. Biochem. Biophys. Res. Commun. 464, 780-786 (2015)
  2. Hiraishi, N., Ishida, Y., and Nagahama, M. AAA-ATPase NVL2 acts on MTR4-exosome complex to dissociate the nucleolar protein WDR74. Biochem. Biophys. Res. Commun. 467, 534-540 (2015)
  1. Sudo, H., Nozaki, A., Uno, H., Ishida, Y., and Nagahama, M. Interaction properties of human TRAMP-like proteins and their role in pre-rRNA 5’ETS turnover. FEBS Lett. 590, 2963-2972 (2016)

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紺谷 圏二 研究室(生化学)

紺谷圏二教授・博士(理学)、荒木信助教・博士(薬学)

細胞内の物質輸送系やシグナル伝達系の分子機構に関して、様々なアプローチにより解析を行っている。

  1. リソソームは様々な物質分解を担うオルガネラであるが、その機能発現に関与する低分子量Gタンパク質ARL8について、活性制御機構やマウスを用いた個体レベルでの生理的役割の解析を行っている。
  2. 細胞膜から小さく突出した構造体である一次繊毛は、様々な外界環境の感知を行っており、その異常は嚢胞腎などの繊毛性疾患の原因になっている。ARL6やARL13bは一次繊毛の形成・機能に関与する低分子量Gタンパク質であり、それらの活性制御機構や機能に関して、生化学的・細胞生物学的手法により解析を行っている。
  3. 高コレステロール血症治療薬のスタチンは、筋組織の細胞死を伴う横紋筋融解症を起こすが発症機序は明らかとなっていない。これまでに、スタチンが非選択的なタンパク質分解機構のオートファジーを誘導することを明らかにしており、筋組織の細胞死とオートファジー誘導の関連性について解析を行っている。
  1. Sasaki, A., Nakae, I., Nagasawa, M., Hashimoto, K., Abe, F., Saito, K., Fukuyama, M., Gengyo-Ando, A., Mitani, S., Katada, T., Kontani, K., Arl8/ARL-8 functions in apoptotic cell removal by mediating phagolysosome formation in C. elegans. Mol Biol Cell, 24, 1584-1592 (2013).
  2. Ogita Y, Egami S, Ebihara A, Ueda N, Katada T, Kontani K., Di-Ras2 Protein Forms a Complex with SmgGDS Protein in Brain Cytosol in Order to Be in a Low Affinity State for Guanine Nucleotides., J. Biol Chem, 290, 20245-20256 (2015).
  3. Araki M., Maeda M. and Motojima K., Hydrophobic statins induce autophagy and cell death in human rhabdomyosarcoma cells by depleting geranylgeranyl diphosphate. Eur. J. Pharmacol, 674, 95-103 (2012).

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佐藤 準一 研究室(バイオインフォマティクス)

佐藤準一教授・医学博士、紀嘉浩講師・博士(学術)

以下の主要3研究プロジェクトが進行中である。

  1. 神経変性疾患発症機構の解明:認知症創薬資源研究開発センター事業に参画し、アルツハイマー病・筋萎縮性側索硬化症・ハンチントン舞踏病の脳特異的遺伝子発現プロフィールをマイクロアレイや次世代シークエンサーで網羅的に解析し、分子病態を解明する。
  2. 多発性硬化症の個別化医療の樹立:多発性硬化症のリンパ球特異的遺伝子発現プロフィールをマイクロアレイや次世代シークエンサーで網羅的に解析し、早期診断や治療のバイオマーカーを探索し、個別化医療を目指す。
  3. 那須ハコラ病の臨床病理遺伝学的研究:神経難病である那須ハコラ病の剖検脳を神経病理学的に解析し、脳分子病態を解明して、創薬モデル系を樹立する。
  1. Satoh J, Kino Y, Asahina N, Takitani M, Miyoshi J, Ishida T, and Saito Y. TMEM119 marks a subset of microglia in the human brain. Neuropathology 36, 39-49 (2016).
  2. Satoh J, Tosaki Y, Sakai K, Yanaizu M, and Kino Y. P2Y12 expression on microglia in the human brain. Clin. Exp. Neuroimmunol. 7, 366-368 (2016).
  3. Satoh J, Yanaizu M, Tosaki Y, Sakai K, and Kino Y, Ishida T, and Saito Y. Expression of gp91phox and p22phox, catalytic subunits of NADPH oxidase, on microglia in Nasu-Hakola disease brains., Intractable Rare Dis Res. 5, 275-279 (2016).

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兎川 忠靖 研究室(生体機能分析学)

兎川忠靖教授・薬学博士、片山昌勅准教授・薬学博士、月村考宏助教・博士(薬学)

創薬、診断および治療効果の確認においてバイオマーカーの測定は必須である。遺伝性難病をはじめとする多くの疾患で、特異性を持って疾患の状態を反映するバイオマーカーを探索し、その分析法を開発する。

  1. Katayama M, Kaneko S, Tsukimura T, Takamatsu K and Togawa T. Multivariate analysis of D- and L-amino acid composition in human seminal plasma reveals correlations with sperm concentration, motility and morphology. Indian J. Res., 55, 458-461 (2016).
  2. Kitakaze K, Mizutani Y, Sugiyama E, Tasaki C, Tsuji D, Maita N, Hirokawa T, Asanuma D, Kamiya M , Sato K, Setou M, Urano Y, Togawa T, Otaka A, Sakuraba H and Itoh K. Protease-resistant modified human β-hexosaminidase B ameliorates symptoms in GM2 gangliosidosis model. J. Clin. Invest., 126, 1691-1703 (2016).
  3. Kodama T, Tsukimura T, Kawashima Ia, Sato A, Sakuraba H and Togawa T. Differences in cleavage of globotriaosylceramide and its derivatives accumulated in organs of young Fabry mice following enzyme replacement therapy. Mol. Genet. Metab., 120, 116-120 (2017).

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小笠原 裕樹 研究室(分析化学)

小笠原裕樹教授・博士(薬学)、鈴木俊宏准教授・博士(薬学)、小池伸助教・博士(薬学)

  1. バイオマーカーの探索:ストレスに起因する疾病(カルボニルストレス型統合失調症など)の早期発見・薬物治療の指標として有用な生体成分を見出し、その測定法を開発、確立すると共に、疾病の発症機序の解明に繋がる知見を得ることを目的とする。
  2. ストレス応答因子の解析:酸化的なストレスに対する生体応答に着目して、ストレス負荷時における、細胞内のレドックス制御関連遺伝子、タンパク質の発現変動や、抗酸化的な低分子成分の変化について調べることにより、酸化還元バランスの巧妙な制御システムを詳細化する。
  3. 抗がん剤輸送機構の解析と耐性克服:シスプラチンなどの抗がん剤の輸送に関わる分子を、マイクロアレイなどの網羅的解析により見出して、その働きを詳細化する。更に、LC-MS 等の機器を駆使した分析により、薬物の体内動態を明らかにし、癌化学療法における耐性克服を目指す。
  1. Koike S, Nishimoto S, Ogasawara Y. Cysteine persulfides and polysulfides produced by exchange reactions with H2S protect SH-SY5Y cells from methylglyoxal-induced toxicity through Nrf2 activation.Redox Biol. 12, 530-539 (2017).
  2. Nishimoto S, Koike S, Inoue N, Suzuki T, Ogasawara Y. Activation of Nrf2 attenuates carbonyl stress induced by methylglyoxal in human neuroblastoma cells: Increase in GSH levels is a critical event for the detoxification mechanism. Biochem. Biophys. Res. Commun. 483, 874-879 (2017).
  3. Suzuki T, Ishibashi K, Yumoto A, Nishio K, Ogasawara Y. Utilization of arsenic trioxide as a treatment of cisplatin-resistant non-small cell lung cancer PC-9/CDDP and PC-14/CDDP cells. Oncol. Lett. 10, 805-809 (2015).

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池田 玲子 研究室(感染制御学)

池田玲子教授・薬学博士、松井勝彦准教授・薬学博士、市川智恵講師・博士(薬学)

  1. 菌種間相互作用とその機序:病原真菌と細菌との間に見出した細胞間相互作用と細胞死の機序を解明し、新たな抗菌薬の標的を探索する。
  2. 真菌の病原因子に関する研究:真菌症の発症機序を解明するために、病原性に関与する因子について物質および遺伝子レベルで解析を行う。
  3. 自然免疫応答に関する研究:免疫疾患における細菌感染の役割を明らかにするために、病原体関連分子パターン(PAMPs)によって誘導されるサイトカイン応答を解析する。
  4. 適応免疫応答に関する研究:アレルギー疾患の制圧を目指して、ランゲルハンス細胞をターゲットにしたTh2細胞分化の制御法を探索する。
  1. Reiko Ikeda, Tomoe Ichikawa, Yusuke Miyazaki, Nanaho Shimizu, Tomomi Ryoke, Kunihiko Haru, Takashi Sugita, Masako Takashima, Detection and characterization of plasminogen receptors on clinical isolates of Trichosporon asahii. FEMS Yeast Res., 14, 1186-1195 (2014).
  2. Katsuhiko Matsui, Akiko Mori, Reiko Ikeda, Langerhans cell-like dendritic cells stimulated with an adjuvant direct the development of Th1 and Th2 cells in vivo. Clin. Exp. Immunol., 182, 101-107 (2015).
  3. Tomoe Ichikawa, Nao Yoshiyama, Yuzuha Ohgane, Reiko Ikeda, Switching of colony morphology and adhesion activity of Trichosporon asahii clinical isolates. Med. Mycol., 54, 189-196 (2016).

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杉田 隆 研究室(微生物学)

杉田隆教授・博士(薬学)、倉門早苗助手・修士(薬学)

  1. ヒト常在微生物と疾患制御-Microbiome Project
    ヒトにはヒトの細胞の数を上回る60兆以上の多種多様な微生物が常在しています。これらは、絶妙な菌叢バランスを保持しながらヒトの健康増進に寄与していますが、この菌叢バランスが破綻すると疾患へ進展していくことがあります。例えば、本来は善玉菌であるアクネ菌が角栓中で異常増殖すると尋常性ざ瘡に発展します。膣内は乳酸菌で構成されているため膣内は酸性に保たれていますが、中性にシフトすると菌交代が引き起こされ、細菌性膣症を発症することもあります。アトピー性皮膚炎患者の皮膚はバリアー機能が低下しているため、皮膚微生物(特にMalassezia)が本症の増悪因子となります。当研究室は、菌叢バランスの制御がこれらの疾患の治療に貢献すると考え、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎や細菌性膣症などを対象に患者の菌叢を解析しています。これらの成果は機能性をもたせた化粧品開発にも応用でき、さらに宇宙環境に滞在する宇宙飛行士のQOL向上(皮膚環境)にむけた支援も行なっています。
  2. バイオフィルム感染症の制御
    バイオフィルムは微生物とそれが産生する細胞外物質により形成される集合体です。カテーテルなどの医療用デバイスにバイオフィルムが形成されるとバイオフィルム感染症へと進展します。バイオフィルムは微生物の集合体であるため一般に抗菌薬に耐性を示します。本研究室では、Candida albicansTrichosporon asahiiのバイオフィルム形成機序とその制御法について研究を行っています。
  3. 新規なバイオリソースの開拓
    地球には無限の微生物が存在します。抗菌薬をはじめ、高脂血症改善薬や免疫抑制薬は微生物が産生する物質が起源です。本研究室では多施設共同研究として新規なバイオリソースの開拓に取組んでいます。
  1. Sugita T, Yamazaki T, Makimura K, Cho O, Yamada S, Ohshima H, Mukai C, Comprehensive analysis of the skin fungal microbiota of astronauts during a half-year stay at the International Space Station, Med Mycol. 54, 232-9, (2016).
  2. Sugita T, Yamazaki T, Yamada S, Takeoka H, Cho O, Tanaka T, Ohno G, Watanabe K, Makimura K, Ohshima H, Ishioka N, Mukai C. Temporal changes in the skin Malassezia microbiota of members of the Japanese Antarctic Research Expedition (JARE): A case study in Antarctica as a pseudo-space environment, Med Mycol. 53, 717-724, (2015).
  3. Kurakado S, Takatori K, Sugita T. Minocycline inhibits the Candida albicans budded-to-hyphal-form transition and biofilm formation. Jpn J Infect Dis. accepted

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大石 一彦 研究室(薬理学)

大石一彦教授・薬学博士、小川泰弘講師・博士(理学)

  1. 神経変性疾患の病態発現機構に関する研究
    アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は、脳内の特定の神経細胞群が徐々に細胞死を起こし脱落してしまう疾患であり、冒された神経細胞群の違いによって様々な症状を呈する。この神経変性疾患がどのような機序で起きるのかに関しては未だ不明な点が多い。我々は、アルツハイマー病モデルマウスからiPS 細胞を樹立し、これを用いてin vitroにおいて病態変化を再現することで明らかにする。そして、モデルマウスから得られる知見と比較解析することで、病態の本質的解明を目的とする。さらに、疾患特異的iPS細胞を利用した創薬スクリーニング系により神経細胞死を改善できる低分子化合物の探索を目指す。
  2. 中枢神経系の発達異常に関する研究
    ザンドホッフ病(SD)は、Hexb 遺伝子の変異により、β-ヘキソサミニダーゼの酵素活性が同時に失われ、GM2ガングリオシドが主としてニューロンに蓄積する疾患である。患者は乳児期から若年期にかけて発症し始め、精神運動障害や痙攣などの進行性の神経障害を呈する。しかし、GM2の蓄積が脳神経系の機能を傷害するメカニズムに関しては不明な点が多い。それは、SD は稀少疾患であり、患者の発生・発達過程での情報がブラックボックスであることが大きな要因である。そこで我々は、SDの病態モデルマウスであるHexb 遺伝子欠損マウスからiPS 細胞を樹立し、これを用いてSDの発症前早期に潜在する病態変化を明らかにする。そして、Hexb 遺伝子欠損マウスから得られる知見と比較解析することで、病態の本質的解明と新たな治療戦略の開発基盤を提供することを目的とする。
  3. 神経堤細胞の多分化能に関する研究
    末梢神経系は、神経管の背側に発生する細胞集団である神経堤細胞に由来する。この神経堤細胞は、各組織に向かって広範囲に遊走し、様々な細胞に分化・成熟する。また、神経堤細胞は各組織に分化・成熟した後も少数は未分化な状態で潜伏し、組織の修復や維持に関与していると考えられているため、再生医療への応用という観点からも注目を集めている。しかしながら、神経堤細胞は極めて広範な細胞種へ分化する能力をもっており増殖能も低いことから、未分化維持機構や運命決定機構に関しては、未だに不明な点が多いのが現状である。P0-Cre x Z/EG マウスは、Cre/loxP システムを利用してGFPの発現を指標に、末梢神経系特異的プロモーターの一つであるP0の発現を系譜トレースすることができるので、神経堤細胞もしくは神経堤細胞経由の神経系細胞の標識に有用である。我々は、P0-Cre x Z/EZ マウスとそのマウスより作製したiPS 細胞を用いて神経堤細胞の分化制御機構を明らかにする。
  1. Ogawa Y, Sano T, Irisa M, Kodama T, Saito T, Furusawa E, Kaizu K, Yanagi Y, Tsukimura T, Togawa T, Yamanaka S, Itoh K, Sakuraba H, Oishi K. FcRγ-dependent immune activation initiates astrogliosis during the asymptomatic phase of Sandhoff disease model mice. Sci Rep, 7, e40518 (2017).
  2. Ogawa Y, Eto A, Miyake C, Tsuchida N, Miyake H, Takaku Y, Hagiwara H, Oishi K. Induced pluripotent stem cells generated from P0-Cre;Z/EG transgenic mice. PLoS ONE, 10, e0138620 (2015).
  3. Ogawa Y, Tanaka M, Tanabe M, Suzuki T, Togawa T, Fukushige T, Kanekura T, Sakuraba H, Oishi K. Impaired neural differentiation of induced pluripotent stem cells generated from a mouse model of Sandhoff disease. PLoS ONE, 8, e55856 (2013).

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菱沼 滋 研究室(薬効学)

菱沼滋准教授・薬学博士

「受容体の分子生物学 ―受容体機能の生理的・病理的・薬理的変動機構の解明と創薬・薬物治療への応用―」

内因性生理活性物質(神経伝達物質、ホルモン、オータコイドなど) や外来性刺激分子(光、味、臭いなど)は、我々の身体に存在する「受容体」に結合して初めて生理作用を発揮する(結合なくして作用なし Corpora non agunt nisi fixata: Paul Ehrlich)。即ち、受容体は、生体機能調節において中心的な役割を担う。従って、受容体が質的・量的に変化すると、生体機能に大きな影響が現れることになる。特に、G 蛋白質共役型受容体は、最も大きな受容体スーパーファミリーを形成するとともに、臨床薬の主要なターゲットにもなっていることから、当該研究では、G 蛋白質共役型受容体の機能制御機構に焦点を当て、以下の研究プロジェクトを進めている。

  1. G 蛋白質共役型受容体の薬物親和性制御機構に関する研究(Receptor Pharmacokinetics)
    ヒト・G 蛋白質共役型受容体遺伝子は、約1,000種類存在すると考えられている。これらG 蛋白質共役型受容体の立体構造(細胞膜7回貫通型構造)はきわめて類似しているにもかかわらず、様々な生理活性物質を選別して受容することができる。当該研究では、受容体に対する薬物の結合親和性制御機構を解析し、受容体と薬物との「赤い糸」を解き明かす。
  2. G 蛋白質共役型受容体の細胞内輸送機構に関する研究(Receptor Trafficking)
    刺激を受けたG 蛋白質共役型受容体は、細胞内に輸送された後、一部は細胞表面にリサイクリングされ、一部はリソソーム等で分解される。細胞の刺激感受性は、このような受容体の数・分布の変動によっても制御されており、この平衡の乱れが疾患を誘発するとともに、薬物治療自身も受容体機能の変動をもたらす。当該研究では、受容体の細胞内輸送機構を解析し、刺激された受容体がたどる運命とそのメカニズムを解明する。
  1. Hishinuma S, Kosaka K, Akatsu C, Uesawa Y, Fukui H, Shoji M. Asp73-dependent and -independent regulation of the affinity of ligands for human histamine H1 receptors by Na+. Biochemical Pharmacology, 128, 46-54 (2017).
  2. Hishinuma S, Nozawa H, Akatsu C, Shoji M. C-terminal of human histamine H1 receptors regulates their agonist-induced clathrin-mediated internalization and G-protein signaling. Journal of Neurochemistry, 139, 552-565 (2016).
  3. Hishinuma S, Sugawara K, Uesawa Y, Fukui H, Shoji M. Differential thermodynamic driving force of first- and second-generation antihistamines to determine their binding affinity for human H1 receptors. Biochemical Pharmacology, 91, 231-241 (2014).

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